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2022.01.05

ニューイヤー駅伝2022詳報!チーム初の準優勝!

SUBARU陸上競技部は、2年ぶりのニューイヤー駅伝2022 inぐんま(第66回全日本実業団対抗駅伝競走大会)で、準優勝することができました。大きなご声援、本当にありがとうございました。全100キロの熱戦を詳報します!

 

1区 鈴木勝彦選手
[スタート→10位]
抜群のレースセンス発揮し、流れ作る!

2022年のスタートを任されたのは、抜群のレースセンスを誇る鈴木勝彦選手です。スタートの位置はクジ引きで決まりますが、奥谷亘監督が最前列を引き当て、鈴木選手は向かって右側から群馬県庁を走り出しました。

元気よくスタートした鈴木選手(右から2人目)

始まるや否や、優勝候補の旭化成の選手が先頭付近に出る展開。さらに集団で選手同士がもつれるなど、位置取りが難しい試合運びとなりました。
しかし、鈴木選手は「これまでの実業団選手生活の中で、今が一番良い練習が出来ていたから、焦らなかった」と言い、先頭グループのなかで冷静に位置取り。トップから離れすぎることなく、最後は16秒差という好位置で高崎中継所に飛び込みました!

「ニューイヤー駅伝に向けてやってきたことを出し切ることができた」と話す鈴木選手が、入賞を目指すチームのスタートダッシュを鮮やかに切りました。

 

2区 キプランガット・ベンソン選手
[10位→1位(区間1位)]
飄々と9人抜き、トップに立つ!

 

良い流れで鈴木選手からたすきを受け取ったキプランガット・ベンソン選手。なんと、今回が生まれて初めての駅伝でしたが、18歳の若武者は試合前、適度に緊張しながら「調子はいい。いい走りを見せます」と笑顔を見せていました。

11月末にケニアから来日後は、やはり群馬の寒さに驚かされたそうですが、1月1日に向けて徐々に慣れていきました。
当日はスタッフ陣のアドバイスの下、手袋やアームウォーマーでしっかりと寒さ対策をして臨み、10位で受け取ったたすきを冷静に肩にかけると、淡々と出走します。
他チームのスピードを誇る有力選手が強風で力を出し切れないなか、ベンソン選手は飄々とした表情を変えずに速いピッチを刻み続けます。
2.6キロ付近で2連覇を狙う富士通のチャールズ・ロキア選手を抜くと、区間記録保持者のべナード・コエチ選手(九電工)をもとらえ、6キロ手前でトップを走っていたニコラス・コシンベイ選手(YKK)を抜いて、
ついに先頭に立ちました!

来日直後とは思えない快走を見せ、ニコラス・コシンベイ選手(YKK)を追い抜き、トップに躍り出たベンソン選手(右)

ラストは梶谷瑠哉選手が受け取りやすいよう、たすきを両手で横に伸ばし、総合トップでたすきリレー!

試合後は「群馬の皆さんに応援してもらえてうれしかった」と笑顔で語ったベンソン選手。個人記録としては区間2位に12秒差をつけ区間賞、9人抜きを果たした18歳の好走に、チームは一気に勢いに乗りました。

 

3区 梶谷瑠哉選手

[1位→6位(区間16位)]

強烈なスピード勝負も、
入賞圏内堅守!

キャプテンに就任してから、事あるごとに「前回のニューイヤー駅伝不出場の経験から、大きく変化を遂げたチームの姿を見てほしい」と語ってきた梶谷瑠哉選手。

1位でたすきを受け取り、公田中継所を先頭で元気に飛び出します!

ベンソン選手(左)からトップでたすきを受け取った梶谷選手

結果的に区間7位までの選手が区間新記録をたたき出すという、強烈なスピード勝負となった3区。
梶谷選手自身も好調だったと言い、いつもどおり全身をフルに使ったパワフルな走りを見せますが、10000メートル日本記録保持者の相澤晃選手(旭化成)らが驚異のハイスピードでうしろから迫ってきます。
相澤選手らに抜かされながらも、梶谷選手は焦ることなく食らいつき、総合6位の入賞圏内を堅守。前を行く5位の選手とは2秒差、先頭とも40秒差という位置取りで、最長区間の4区へとたすきをつなぎました!

 

4区 清水歓太選手
[6位→3位(区間8位)]
勝負どころで完璧に駆け引き、
3位に躍り出る!

 

勝負どころの4区を任されたのは、社会人3年目の今シーズン、5000メートル、10000メートルでSUBARU陸上競技部最高記録をたたき出すなど絶好調を保ってきた清水選手です。

どのチームもエースランナーが出走する22.4キロの最長区間「花の4区」。清水選手は6位でたすきを受け取ると、区間新記録をたたき出すことになる細谷恭平選手(黒崎播磨)と並走します。

黒崎播磨の細谷恭平選手と並走し、エース区間の4区をハイペースで駆け抜ける清水選手

細谷選手と駆け引きすることでペース良くレースをすすめると、清水選手は13キロ付近で優勝候補の旭化成・市田孝選手を抜き去ります!
その後、西山雄介選手(トヨタ自動車)が加わり、清水・細谷・西山の3人で2位グループを形成すると、グループのなかで抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げます。
「他チームの選手との駆け引きが完璧に奏功して、うまくレース展開できた。100点の走りができた」と清水選手。
ハイペースにレースを進めると、最後はスパートで西山選手を振り切り、三菱重工、黒崎播磨に続く3位で5区・照井明人選手にたすきを渡しました!
勝負どころのエース区間で清水選手が順位を3つも上げる力走を見せたことで、入賞はもちろん、3位以内の可能性が見えてきました。

 

5区 照井明人選手
[3位→2位(区間3位)]
見事なロングスパートで、
オリンピアンも引き離す!

4区の清水選手に、励まされるように背中をたたかれスタートを切った照井選手。

清水選手(右)から笑顔でたすきを受け取る照井選手

この日の5区は「試練の5区」の呼び名通り、太田市役所で北の風8.0メートルという強烈な向かい風「赤城おろし」を観測しました。しかし、照井選手いわく「地元・SUBARUの選手にとっては、この向かい風こそが“追い風”」と強い意気込みで出走しました。
トップを三菱重工が走り、その後ろで、照井選手と、東京五輪マラソン代表で「5区の顔」とも言われる服部勇馬選手(トヨタ自動車)と土井大輔選手(黒崎播磨)の3人が2位グループを形成します。
強烈な向かい風に「冷たくてカラカラの風で、最初から最後まで苦しいレースだった」という照井選手ですが、「オリンピアンに勝ちたいと思って走った」と、強い精神力で前へ前へと走り続け、後半に入った8キロ付近でまず、服部選手を振り切ります。

オリンピアンを次々と引き離す照井選手

その直後に東京五輪3000メートル障害代表の青木涼真選手(Honda)が2位グループに入ります。
照井・土井・青木でトップの三菱重工を追いかける展開が続きますが、残り約1.5キロとなった14キロ付近で、照井選手がロングスパート!
勢いを保ちながら土井、青木選手を離して単独2位!先頭とわずか21秒差で6区・小山司選手にたすきをつなぎました!

 

6区 小山司選手
[2位→2位(区間2位)]
アニキがさすがの活躍!2位でつなぐ

豊富な経験と積み重ねた努力で、精神的な支柱として後輩たちに頼られてきたチームのアニキ・小山選手。

後輩たちが入賞圏内でつないできたたすきを笑顔で受け取って走り出すと、800メートル付近から猛烈な向かい風が襲いかかってきました。「かなりキツかったが、粘るのみ」と力を振り絞ります。
また、今季ケガで長期間、走れなかった時期があるだけに「走れることがただただうれしくて、キツい思いをすることすらも楽しかった」と、トップを追いかけます。

途中で、後ろから来た中山顕選手(Honda)と並走。中山選手に付いて引っ張られる形を作ると、ハイペースを保ちやすくなりました。

お気に入りのオレンジ色のサングラスをかけ、
中山選手(Honda)と並走する小山選手

そして、先頭を走り続けていた三菱重工の選手に10キロ付近でついに追いつきました!
中山選手に次ぐ2位でアンカーの口町亮選手に笑顔でたすきを託すと、「行け!」と言わんばかりに右手を前に突き出しました。

個人としても2018年のタイムや区間順位(37分02秒、9位)を上回る快走でした!

 

7区 口町亮選手
[2位→2位(区間3位)]
トップに6秒差まで詰め寄る!

チームの思いを乗せ、準優勝!

競技人生初という駅伝アンカーに抜擢された口町選手。後方3位の選手とは16秒差の2位でタスキを受けました。7区で走ることが決まってから「どんな順位できても対応できるよう、あらゆるシミュレーションをしてきた」と言い、あわてることなく出走します。

「チームにいい選手がたくさんいる中で起用してもらった。みんなの分まで走るという思いがあった」と振り返る口町選手。優勝争いという緊迫した展開の中、「口町ロケット」が、前半から一気にギアを上げていきます。

身体を揺らすようないつものダイナミックなフォームで、トップを行く土方英和選手(Honda)を追いかけ、一時は6秒差まで詰め寄りました。

惜しくもトップはなりませんでしたが、後半に苦しくなってからも一度も追い抜かれることなく、SUBARUのユニフォームをアピールしながら2位でフィニッシュテープを切りました!

「みんなの分まで」という思いを胸に走り抜き、
2位でゴールに飛び込んだ口町選手

待っていた小林光二コーチの元に笑顔で飛び込みました。個人としても区間3位に食い込み、「駅伝男」の面目躍如です。

 

新型コロナ禍により各ご家庭などで応援いただく形となりましたが、昨年の不出場を経て今回の2位に躍進したSUBARU陸上競技部の走りをご覧になった皆さまに、少しでも元気をお届けできたとしたら、チームにとってこれ以上の喜びはありません。

そして、皆さまの熱いご声援、選手や指導陣にとって大きな支えとなりました。ありがとうございました!

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