考え方・方針

航空事業を営む航空宇宙カンパニーでは、お客様へ航空機の「安心と愉しさ」をお届けできるように、日頃の業務では「安全と品質を最優先に」を行動指針として、生産活動を行っています。

体制・マネジメント

航空宇宙カンパニーでは、QRM推進室が品質マネジメントシステム(QMS)の維持・推進を行うとともに、品質向上に向けたシステム改善に取り組んでいます。
また、品質保証部が商品の製造・修理・販売・サービスにいたる以下の一連の品質保証活動を推進し、社内の関連部門やお取引先様に展開しています。

  • お客様の声を収集
  • 品質に関する課題を抽出
  • 原因を調査
  • 対策を立案

品質マネジメントシステム

航空宇宙カンパニーでは、「安全と品質を最優先に」の方針のもと、「JIS Q 9001:2015」をベースに航空・宇宙・防衛分野固有の要求事項が追加された「JIS Q 9100:2016」に適合した品質マネジメントシステムを構築し活動しています。
また、品質に関する不適切な事象の防止のため、日本の航空宇宙・防衛業界が一体となって独自に制定している「JIS Q 9100の補足事項」(SJAC 9068)も取り入れています。

品質マネジメントサイクル

航空宇宙カンパニーでは、安全と品質を最優先にした商品の実現のために、品質計画における要求事項の明確化から、設計・開発および製造・検査・試験の各プロセスで品質保証に取り組み、各プロセスで定期的に開催するプロジェクト会議などにおいて監視・分析・評価をすることで、よりお客様の満足度を向上させる改善につなげ、品質マネジメントサイクルを構築・運用しています。また、マネジメントサイクルが適切であるかは、定期的に開催する「品質会議」にて確認を行っています。

品質マネジメントサイクル

品質会議

航空宇宙カンパニーでは、品質マネジメントサイクルが適正であることを確認するため、定期的に「品質会議」を開催しています。製品および業務プロセスについて、その質や外部評価(顧客満足、外部監査指摘等)などの多様な側面からの分析結果をもとに、マネジメントシステムの変更や資源の必要性、および特定リスクへの対応を審議します。

品質会議におけるインプットとアウトプット

目標と指標

航空宇宙カンパニーでは、SUBARUの品質方針「私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます」に基づき、品質保証の運営基準を以下のように定め、活動をしています。

  • すべての活動はお客様の満足を目標とする。
  • 自工程保証を目指す。
  • 事実に基づき合理的、ロジカルに分析、改善する。
  • 継続的にPDCAを回し常にレベルアップを図る。
  • 品質をプロセスで担保するよう取り組む。
  • 品質保証活動に全員が積極的に参加する。

品質におけるリスクの考え方

品質におけるリスクは多岐にわたりますが、航空宇宙カンパニーでは、飛行安全の確保が最優先されます。飛行安全を損なうリスクとしては、部品落下、操縦不能、エンジン停止などが挙げられますが、これらは機体墜落につながり、最悪の場合、人命に影響を及ぼす事案となりかねません。
このようなリスクを最小限に抑えるために、航空宇宙カンパニーでは、航空機の部品製造から組立ラインにおける自工程保証の取り組み、厳格な検査の実施、および完成機での飛行試験を通じて、最終製品の安全性を徹底的に確認しています。
また、社内外だけでなくサプライヤーに対して品質監査を行い、問題が見つかった場合には迅速に是正措置を講じています。
これら一連の活動を継続的に行うことでリスク低減を図りながら、飛行安全を確保し続けています。

取り組み・実績

製品の品質保証に関する外部監査

航空宇宙カンパニーでは、定期的に品質に関する以下の第三者機関による審査を受け、その有効性を維持しています。

  • JIS Q 9100に対する、第三者審査登録機関による審査
  • 航空法第20条に基づく認定事業場に対する、国土交通省航空局による審査
  • 航空宇宙における特殊工程作業に関する国際的認証制度(NADCAP)に対する、審査機関による審査

品質保証教育

従業員教育の一環として、全従業員または各部門の特定業務に関わる従業員を対象として、品質保証に関わる「品質教育」を実施しています。また、製品保証を行う検査員を対象とした「検査員基礎教育」や「検査員技量教育」を実施しています。

主な教育研修プログラム
教育項目 対象 頻度
品質教育 検査員ベーシックマナー教育
テクノスクール
検査員 1回/年
品質リマインド教育 主に製造に関わる従業員 2回/年
ヒューマンファクター教育 主に航空法認定事業場従事者 1回/年
航空安全教育 主に航空法認定事業場従事者 1回/年
認定事業場従事者教育 主に航空法認定事業場従事者 1回/年
QMS定着教育 全従業員 2回/年
検査員
基礎教育
新規認定/
定期更新教育
検査員 新規/
3年ごと
検査員レベルアップ教育 検査員 1回/月
検査員
技量教育
テクノスクール 検査員 10回/年

4ルール活動

お客様の笑顔のため、航空安全に関わる社会的責任を果たすため、そして私たちの成長へつなげるため、カンパニーの一人ひとりが仕事のルール(手順・根拠)を確認し、そのルールが世の中とずれている、改善が必要と気づいたときは、一人で悩まず皆で改善につなげ、業務の質を上げていこうという活動を実施しています。

4ルール

あなたの今日やる仕事
  1. ルール(手順・根拠)はありますか?
  2. ルールは守っていますか?
  3. 改善の余地はないですか?
  4. 職場で改善を話し合っていますか?

品質月間行事および改善活動

航空宇宙カンパニーでは、毎年11月を品質月間と定め、品質向上に貢献した従業員の表彰、全従業員への啓発用パンフレットの配付などを実施しています。
さらに、従業員の創造力発揮や改善の風土醸成を狙いとして、「改善事例発表会」や年間を通して自部門や他部門に改善を提案する「改善提案制度」を設け、積極的な改善の立案と実施、およびその改善効果の評価を行っています。