陸上選手にとってけがは避けては通れません。けがをして落ち込みたくなる時にどう前を向くか。その対応も、勝負どころの一つとなります。 前回は、けがをしたことで徹底的に体を見直し、見事結果につなげた清水歓太選手を取り上げました。今回も、けがをしても不屈の精神で復活してきたSUBARUの選手に話を聞きました。
「今までにはないところを傷め、年齢による身体の変化を感じます。状態を見極めて、調子を上げていくことが求められていると思います」
こう語るのは、入部8年目を迎えた小山司選手です。
コツコツと練習を積み上げ、マラソンでも実績を出してきた小山選手
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春先に左ひざを痛め、トラックシーズンは1試合に出場するのみとなりました。
故障中、小山選手は足に負担がかからない別メニューを自ら組み立てて、こなしていました。
その姿に驚かされたのは、今年1年目の鳥飼悠生選手です。
小山選手の真摯な姿勢から刺激を受けたという新人・鳥飼選手
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鳥飼選手は入社前からあった足の痛みを完治させるため、シーズン初めは治療に専念せざるを得ませんでした。同じくけがをしていた小山選手と練習場所が重なることもあり、その時の様子が強烈だったと言います。
「小山さんはプールで泳ぎ終わったらエアロバイク、バイクをこぎ終えたらトレーニング室で別の補強運動…。小山さんにとってはそれが普通のようですが、正直その練習量に驚きました。そして、故障の期間中でも気持ちを落とさず、何が自分のプラスになるかを考えて打ち込む大切さを、その姿から学びました」(鳥飼選手)
小山選手の不屈の精神は、後輩にも刺激となっているようです。
自転車好きで知られる口町亮選手は、ロードバイクでトレーニングを積みました。
長距離選手はケガの期間、いかに筋力や持久力を落とさないかを考えて練習メニューを考えます。小山選手のプールでのスイムやエアロバイクは屋内でのトレーニングですが、屋外で行うロードバイクを使ったトレーニングもメジャーです。
「関節炎を治すため今年5月はランニングをストップしました。その期間の練習でロードバイクに乗りましたが、最長で1日186キロです。その日は赤城山を1周してから登ってきました」とさらりと言ってのけます。
186キロ…?
口町選手の出身地・埼玉県川口市とSUBARUの本拠地の太田市を往復してもまだ余るほど距離です!
ダイナミックな走りで沿道のファンを沸かせてきた口町選手
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走りの練習から別メニューに切り替え、故障を治すことに専念したことで、口町選手は夏の合宿から徐々にチームでの練習に合流できました。10月の日体大長距離記録会では目標の28分台にはあと一歩届かなかったものの、近年にない良い感覚をつかめたと言います。
「ここ数試合は後半のラップが落ちて終わってしまうことが多かったのですが、日体大長距離記録会では後半のラップを上げ、身体をしっかりと動かして走りきることができました。体がよく動き、こじんまりした動きではなくダイナミックな走りができると感じました。久々に試合で良いイメージを作れたので、さらに状態を上げていきます」
※ラップを上げる=1周1周のペースを上げること。
見る人を引き付ける、長い手足を生かした口町選手の爆発力ある走りが復活する日も、そう遠くないようですね。
けがをしても決してあきらめない。不屈のSUBARU陸上部の選手たちが走ります!
実業団駅伝の最高峰・ニューイヤー駅伝の出場権をかけた第62回東日本実業団駅伝は11月3日(水)午前8時~、埼玉県熊谷市の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われます。試合は同日午後1時55分~、TBSにて録画放送されます。皆さまのご声援を、よろしくお願いいたします!
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