2020年の冬。SUBARU陸上部にとってはニューイヤー駅伝の出場を逃し、選手たちは苦しい時間を過ごしていたころです。
股関節のけがのため思うように走れていなかった清水歓太選手は、悩んだ末にある決心をしていました。
「けがをした原因を、根本から直そう。小手先だけ変えていても、けがを繰り返すだけだ」
清水選手は、「走る」ことを、動作の一つ一つから見直すことにしたのです。
大泉町で行われた陸上教室で子どもたちに笑顔で指導する清水選手
|敏腕トレーナーに基本の「キ」から学ぶ
そこで力を借りたのが、早稲田大出身でトレーナーとして活躍する五味宏生さんです。
五味さんは、東京五輪のマラソン代表の大迫傑選手や、短距離のサニブラウン・ハキーム選手をサポートしてきた敏腕トレーナーです。清水選手は同じ早大出身の縁をたどって五味さんを訪ね、走りの動作や筋肉の使い方について、アドバイスを受けました。
清水選手のけがの原因は入社2年目で厚底シューズを使って足を酷使したこと。まず、股関節を傷め、膝や臀部の痛みへ広がりました。
不調をきっかけに陸上人生を振り返ってみると、「結果を出せていたらいい、と考え、多少の不調はやり過ごしている部分が少なからずあった」ことに気づきました。
清水選手は、練習もできないけがをした今こそ、動きを根本から見直せるタイミングととらえました。迷うことがあれば、スマートフォンで自分の動画を撮影し、LINEで五味さんに送って細かく確認をするほど、「基本のキ」を、一つずつ突き詰めていきました。
|高校以来の自己ベスト更新
走りがどのように変わったか? これを言葉にするのは難しいそうですが、あえて言えば「補強運動などで付けた筋肉を、走る動作になじませるような感覚」だと清水選手は表現します。
五味さんを訪れる時は、同期の梶谷選手も一緒でした。春先、梶谷選手がさっそく5000メートルで自己ベストを更新した姿に、清水選手は「自分にもできる」と背中を押されたと言います。そして、5月にあった東日本実業団陸上競技選手権大会の5000メートル、6月の平成国際大学長距離記録会の1万メートルともに、自己ベストを大幅に更新することができました(13分45秒56、28分47秒99)。
11月3日の好走が楽しみだ
実は清水選手、元々の5000メートルの自己ベストは高校3年の秋に記録したものでした。高校時代、すでに14分台前半の走りができていたのですが、大学時代はそれを更新できなかったのです。「トラックレースと駅伝は別物だとは言え、長距離選手として、このまま13分台で走れないのか」と思うことさえありました。それだけに、走るたび自己ベストを記録している今年は、レースを重ねることが自信につながっています。
|目指すはゲームチェンジャー
「今年の駅伝では、昨年の分を取り返したい」と清水選手は闘志を燃やしています。「きっとゲームチェンジャーになります」とも。「新型・清水」の駅伝デビュー戦となる11月3日の東日本実業団駅伝での好走を、力強く誓っています!
新春の頂上決戦、ニューイヤー駅伝2022(第66回全日本実業団対抗駅伝競走大会)の出場権をかけた第62回東日本実業団駅伝は11月3日(水)、埼玉県熊谷市の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われます。皆さまのご声援を、よろしくお願いいたします!
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