城西大時代に箱根駅伝5区で圧倒的な走りを見せ、2年連続区間賞を獲得。2024年にはMVPにも輝き、その軽やかな走りから“山の妖精”の異名を持つ。
社会人デビュー戦となった2024年5月の東日本実業団陸上5000m。初めての実業団レースとは思えぬ落ち着きぶりで、後半にしっかりスパート。 続く8月の十和田八幡平駅伝では、東日本地区のメンバーに抜擢され、アンカーとして勝負所で一気にギアを上げ、驚異的なスパートで区間新記録を樹立し、優勝のテープを切った。 9月の全日本実業団陸上10000mでは、「組3着以内で走りたい」と宣言し、その言葉通り、序盤から安定したペースを刻む。レース終盤にはトップ集団に食らいつき、ラストスパートで見事に3着。
そして、2025年1月1日のニューイヤー駅伝。着実に結果を出してきた山本選手が任されたのは、2区に次ぐエース区間3区。10000m日本記録保持者・塩尻和也選手(富士通)の後ろにピタリとつき、冷静にレースを展開。終盤まで粘り抜き、チームの総合5位入賞に大きく貢献。箱根の山だけではない、その総合力を見せつけた。
「社会人になり、トレーニングの質と量をうまく両立できている」と語る。その結果、美しいフォームにさらに磨きがかかり、周囲からも「フォームがきれいになった」と評されている。 “山の妖精”から地元・群馬を沸かせる“群馬の妖精”へ。進化を続ける山本唯翔が、次にどんな快走を見せるのか。その走りに注目だ。