「人の命を守る」安全性能の追求 HOME 企業情報 ひとめでわかるSUBARU 「人の命を守る」安全性能の追求 「安心と愉しさ」を支える技術をさらに進化電動化の時代でも「SUBARUらしさ」は失われない SUBARUの総合安全 SUBARUは「人の命を守る」ことにこだわり、2030年に死亡交通事故ゼロ1の実現に向けて取り組んでいます。あらゆる視点からクルマの安全性能を追求し、従来の「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」の4つの分野をさらに強化するとともに、「つながる安全」を加え、2030年に死亡交通事故ゼロを目指します。 *1:SUBARU車乗車中の死亡事故およびSUBARU車との衝突による歩行者・自転車などの死亡事故ゼロを目指す。 運転支援システム「アイサイト」の進化 2030年に死亡交通事故ゼロを実現するためには「多くのお客様にご購入いただきやすい価格で最高の性能をお届けすること」が大切だとSUBARUは考えています。2008年に国内で発売を開始し、2022年6月には世界累計販売台数500万台を達成した運転支援システム「アイサイト」は、15年間で進化し続けてきました。 アイサイトが搭載する「ステレオカメラ」の特徴は、人間の目と同じように2つのカメラで対象物を認識するため、レーダーよりも道路上の物体を高いレベルで検出することができることです。その開発は約30年前からスタートしました。開発当初は、雨やガラスの曇りなどで正常に検知できないことも多くありましたが、様々なシーンを走り込み改良を行うことで課題をクリアしていきました。 2008年に登場した初代アイサイト 2008年、世界初となるステレオカメラだけで「プリクラッシュブレーキ」や「全車速追従機能付クルーズコントロール」を実現したシステム「アイサイト」が誕生しました。2010年に発表したver.2では、プリクラッシュブレーキの改良によりクルマが完全停止するまでサポートできるようになりました。この頃からアイサイトは多くの国内モデルで搭載されるようになり、お客様にご購入いただきやすい価格で販売したこともあり、知名度や普及率が大きく高まりました。その後さらに海外モデルへも展開していきました。 アイサイトの認識イメージ 2014年に発表したver.3ではステレオカメラのカラー認識の実現および視野の拡大により先進安全機能を大幅に向上させ、2020年発売の「レヴォーグ」では新開発のステレオカメラに前後4つのレーダーや高精度ロケーターなどを組み合わせた「アイサイトX」を展開しました。 アイサイトXのイメージ 2022年には、北米市場向けの主力車種「アウトバック」に、アイサイトの認識能力を強化する「広角単眼カメラ」を新たに採用しました。ステレオカメラと超広角の単眼カメラによって「3つの目」に進化したことでこれまで以上に広い範囲を認識できるようになり、交差点で発生する事故の割合が高いドライバーの死角から飛び出してくる歩行者や自転車に対しても、プリクラッシュブレーキでの衝突被害軽減を可能にしました。これらの事故シーンに対してプリクラッシュブレーキで事故低減を達成するためのアイテムはほかにもありましたが、お客様にお求めいただきやすい価格で最高の安全を提供するために「広角単眼カメラ」を選択しました。国内市場向けの「クロストレック」「インプレッサ」にも搭載しており、今後は他モデルにも順次展開していきます。 予防安全の強化の取り組み「アイサイト×AI」 SUBARUは、予防安全技術をさらに高めて死亡交通事故ゼロの実現に向かって いくため、新しいテクノロジーを加えていくことに挑戦しています。現在、特に注力 しているのがアイサイトとAI技術の融合です。 ステレオカメラを用いた空間認識の基本原理は、右と左の2つのカメラに映った画 像のズレを三角測量により、画素ごとに対象物との距離を正確に算出することです。 カメラに映るものすべてを高精度に立体化することで、あらゆるものの形や距離を 捉えることができることがアイサイトの強みです。しかし、捉えたものが小さな物体 や微妙な凹凸などの場合、それを乗り越えるべきか、障害物と判断して止まるべき かをアイサイトの画像認識だけで確定することは難度が高い課題です。一方AIは、 過去に学習した膨大なデータをもとにカメラに映った対象物を画素ごとに正確に分 類することが得意です。アイサイトで認識した対象物との距離と、AIで認識した対象 物の分類を完全に同じ画像上で融合できるため、アイサイトとAIは相性が非常に良いと捉えています。実用化できれば、今まで以上に運転環境の情報を詳細かつ正確に認識することが可能となり、より様々な状況においてクルマの安全性を高めることにつながると考えています。 この取り組みは、2020年12月に新設された「SUBARU Lab(スバルラボ)」にて行っています。従来と異なる視点で新 たな発想を生み出す環境づくりとして、あえて独立したオフィスを設けました。近年の再開発により「ITの集積地」として 注目されている渋谷に独立した新拠点を構えたことにより、AI開発に必要な人財のスムーズかつ的確な採用につながって います。現在の開発テーマはAI技術ですが、今後はAIにとどまらず新しい技術を積極的に取り入れながら開発を進めてい きたいと考えています。 2024年4月にはSUBARU Labで開発をしているAIを搭載する次世代アイサイト向け半導体(SoC:System on a Chip)として、AMD社のVersal AI Edge Series Gen2を採用すること、および同社とともに最先端のAI推論性能や超 低遅延な演算処理を低コストで実現するため、SoC最適化に向けた回路設計を行う協業を発表2しました。死亡交通事故 ゼロ実現に向けて、次世代アイサイトの性能進化をお客様にお求めいただきやすい価格で提供するため、SoC最適化の ための半導体回路設計までこだわりを持って取り組んでいます。 *2:ニュースリリース…SUBARUとAMD、ステレオカメラとAI推論処理を統合するSoC設計に関する協議を開始(2024年4月19日)https://www.subaru.co.jp/news/2024_04_19_154136/ 衝突安全の継続的な強化 SUBARUは、万が一衝突事故が発生してしまった場合、乗員だけでなく歩行者・自転車の保護まで、すべての人を守ることを念頭においてクルマの開発を行っています。 乗員の保護については、「車体の強化」と「拘束装置の高度化」があります。車体の強化は、効率的に衝突エネルギーを吸収する「スバルグローバルプラットフォーム」に高強度部材を活用しシビアな衝突にも耐え得る構造のキャビンを組み合わせることで、前方だけでなく側後方も含めた全方位の衝突に対応しています。 拘束装置の高度化は、ニーエアバックやシートクッションエアバックで乗員の下半身をしっかり拘束することで上半身への負担を減らし、さらに体格を判別してシートベルトの加重を変え必要以上の圧力を発生させないようにすることで、年齢や体格にかかわらずすべての乗員を守れるようにしています。しかし、拘束装置が進化してもシートベルトを適切に装着していなければ十分な効果を得られません。国内における後席シートベルトの装着率はわずか40%程度です。SUBARUはこの状況を改善するべく、高度なシートベルトリマインダーを実用化し、装着モデルを拡大してきました。 歩行者・自転車の事故による傷害件数は、乗員の傷害件数の2.5倍もあります。SUBARUは、事故が発生した際の歩行者・自転車のダメージを軽減するため、バンパーやボンネットなどは衝撃を吸収できる柔らかい構造にすることに加え、歩行者エアバックを装着しています。 今後、死亡交通事故ゼロを実現するためには、今まで以上に多様でシビアな事故を想定する必要があります。例えば、対自転車の衝突においては、サイクリストの体格や衝突時の自転車とクルマの向きや速度などのあらゆるケースを想定すると、現在の歩行者エアバックでもある限られた条件においてはカバーしきれない場合があることが分かりました。このように、無限に考えられる衝突パターンからコンピューターシミュレーションによりワーストケースを見つけ、具体的な対策を進めています。 死亡交通事故ゼロに向けたシナリオ 死亡交通事故ゼロを実現するために、SUBARUは米国で2017年から2021年に発生した死亡交通事故3について調査し、事故の発生原因と死亡原因を分析、それらの原因を効果的に取り除ける機能を割り出しました。そして、その機能を実現する具体的な対応手段を決定し、実現に向けて開発を行っています。 具体的には、SUBARUの総合安全思想にもとづき、視界の良さや疲れないパッケージに代表される「0次安全」、突然の危険回避操作を行ってもクルマの挙動が不安定になりにくく安心な「走行安全」、アイサイトのプリクラッシュブレーキなどに代表される「予防安全」、乗員や歩行者などの傷害を軽減する「衝突安全」、事故後の自動通報に代表される「つながる安全」のすべての領域を向上させ、死亡交通事故に対応する技術開発に取り組んでいます。また、クルマだけでは解決できない事故4についてもユーザーへの啓発活動や、ルールの提案や道路環境の整備への働きかけなどの取り組みを進めていきます。 *3:SUBARU乗車中の死亡事故およびSUBARUとの衝突による歩行者・自転車等の死亡事故 全545ケース。 データ出典:Fatality Analysis Reporting System(FARS)米国内で発生したすべての死亡交通事故が記載された一般公開データ。 *4:トレーラーのような大型車両に前後から挟まれたケース、一方通行のハイウェイの逆走車と正面衝突したケース、夜間のハイウェイに侵入した歩行者を撥ねたケース等を含む。 自動車アセスメント SUBARUは、日本のJNCAP5、米国のIIHS6、U.S. NCAP7、欧州のEuro NCAP8、豪州のANCAP9など国内外の公的機関による安全性能試験・評価を受けており、最高ランクの評価を多数獲得しています。 2023年度は、JNCAPの自動車安全性能評価において、「クロストレック/インプレッサ」が「自動車安全性能2023ファイブスター賞」を受賞しました。さらにファイブスター賞の中で最高得点のみに与えられる「自動車安全性能2023ファイブスター大賞」も受賞しました。IIHSにおいては、2024年5月時点でSUBARUの2024MY(モデルイヤー)車の1車種で「2024 TSP+賞」、3車種で「2024 TSP賞」を獲得しました。ANCAPにおいては、「ソルテラ」が2022年評価で5★を獲得しました。 *5:JNCAP(Japan New Car Assessment Program):国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構が実施する自動車の安全性能評価 *6:IIHS(The Insurance Institute for Highway Safety):米国道路安全保険協会 *7:U.S. NCAP(U.S. New Car Assessment Program):米国運輸省道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)が実施する安全性能評価 *8:Euro NCAP(European New Car Assessment Programme):欧州で行われている自動車の安全情報公開プログラム *9:ANCAP(The Australasian New Car Assessment Program):豪州、ニュージーランドの交通関連当局などで構成された独立機関が実施している安全性能評価 前のコンテンツ 「ひとめでわかるSUBARU」に戻る 次のコンテンツ もっとくわしくSUBARUを知る トップメッセージ ユニークなビジネスモデル 「人の命を守る」安全性能の追求 SUBARUが考えるDX戦略 SUBARUの航空宇宙カンパニー 新経営体制における方針 お客様との関係 SUBARUのエンジニア育成 SUBARUの自動車事業 SUBARU創造の歴史