アップデートのポイント

SUBARUでは、2023年8月に発表した「新経営体制における方針」の通り、先行きを見通すことが難しい段階では、規制やマーケットの動向を注視しながら、その変化に「柔軟」に対応し、ある程度方向性が見えてきた断面では一気に「拡張」していくという「柔軟性と拡張性」の観点が極めて重要との認識をもって、各種取り組みを推進しています。

カーボンニュートラル実現に向けた手段として、中長期的な視点では、いずれはバッテリーEVが軸になっていくと考えていますが、今回のアップデートでは、バッテリーEV移行初期にあたる2025年から2026年の「開発」「商品」「生産」の各々の領域に対する取り組みについて、取り巻く環境の変化への「柔軟性」をキーワードにご紹介します。

BEV開発・生産(2026年末のバッテリーEVラインアップ)

バッテリーEVの開発は、自社独自やアライアンス活用によるものなど様々な選択肢を検討してきましたが、2026年末までにラインアップする4車種のバッテリーEVについては、トヨタ自動車との共同開発とし、両社の知見を持ち寄りながら開発を進めていくこととしています。

また矢島工場で生産する「共同開発のバッテリーEV」は、トヨタ自動車に対しても供給します。そして、トヨタ自動車の米国工場で生産されるバッテリーEVについてもSUBARUに供給され、SUBARUにおいても米国生産のバッテリーEVをラインアップすることとなります。

これらの共同開発や、相互生産・相互供給により、先行きを見通すことの難しい時代において、トヨタ自動車とともにリスクを軽減し、開発および生産領域の「柔軟性」を確保します。

HEV商品/HEV生産

トヨタハイブリッドシステム(THS)をベースとした、水平対向エンジンを搭載したSUBARUらしい独自の次世代HEVである「次世代e-BOXER」を次期フォレスターに搭載することは既に公表していますが、この「次世代e-BOXER」は、クロストレックにも展開を拡大します。

バッテリーEV移行初期において極めて重要となるHEV(ハイブリッド)商品の強化により、商品の「柔軟性」を確保し、お客様の選択肢を増やします。

また次期フォレスターは、ガソリンモデル・次世代e-BOXERモデルともに国内工場での生産のみならず、いずれは米国 Subaru of Indiana Automotive, Inc.(以下、SIA)での生産も開始し、日米での生産領域における「柔軟性」を確保できるよう、進めていきます。

生産工場

次世代e-BOXERにおいて、その基幹ユニットとなるトランスアクスルについては、2024年秋、リニューアルした北本工場にて生産を開始します。次世代e-BOXERは、まずは国内工場の生産車両に搭載しますが、いずれは米国SIAの生産車両にも搭載し、日米における生産工場の「柔軟性」を確保していきます。

また矢島工場においてガソリン車とバッテリーEVの混流生産を開始し、ここで生産するバッテリーEVはトヨタ自動車にも供給することも踏まえて、需要に応じた生産の「柔軟性」を確保します。

今後に向けて

バッテリーEV移行初期の足元 2025年から2026年については、「開発」「商品」「生産」における各種取り組みにより「柔軟性」を確保します。今後のバッテリーEV普及期、つまり「拡張」の局面に向けては、「モノづくり革新」「価値づくり」の成果が求められるフェーズとなります。

2024年1月に稼働を開始したイノベーションハブにおいて、当社社員やお取引先様が垣根なく集い開発・生産など様々な検討を行う「大部屋活動」において、「モノづくり革新」「価値づくり」を具現化する活動を推し進めています。

また、「モノづくり革新」「バッテリービジネス」「デジタルカー」「コネクトビジネス」そして「コスト改革」の5つの領域を「核心的重点テーマ」と位置付け、2024年2月に公表した各領域を担当する5人のCXO(シーエックスオー)により、部門を跨ぎ、部門の壁を壊し、再構築しながら、「モノづくり革新」「価値づくり」のスピードアップを図ります。

これらの取り組みを通して、「開発」「製造」「サプライチェーン」が高密度に繋がる「ひとつのSUBARU化」を進め、2028年末までに投入を見込むバッテリーEVはアライアンスの知見を活かした「自社での開発」を目指します。また「モノづくり革新」「価値づくり」を推進する過程で得た様々な知見はICE系商品の強化に対しても活用していきます。

ICE系商品ラインアップの強化の具体的内容については、「モノづくり革新」「価値づくり」の具体化と合わせて、今後適宜発信をしていきます。


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