株式会社SUBARU(以下「当社」)は、当社群馬製作所本工場および矢島工場の完成検査工程において、登用前検査員による完成検査行為の実施、燃費・排出ガスの抜き取り検査での測定値書き換え、といった不正・不適切行為が長年にわたって行われてきたことが判明したため、2017年12月19日および2018年4月27日に国土交通省(以下「国交省」)へ報告書を提出し、その調査結果を公表しました。
さらに、この燃費・排出ガスの抜き取り検査に関し、2018年5月の国交省の立入検査での指摘を契機として、走行速度や試験室内の湿度について法令に基づく告示等で規定された許容範囲を逸脱した(トレースエラー、湿度エラー)にも拘らず、これを有効な測定として処理した事案(以下「新規判明の二事案」)が存在することが判明したため、2018年6月5日にこれを国交省へ報告するとともに、社外専門家の手で当該事案の詳細や背景、動機等のみならず、完成検査業務全体のプロセスについて徹底した再調査を実施することを公表しました。 同日国交省より、万全の調査体制を構築した上で、新規判明の二事案とともに他に完成検査に関わる不適切事案がないか徹底調査を行い、それに基づく再発防止策を策定し報告するよう要請を受けました。
これまで二度にわたり完成検査に関わる不適切事案について調査を行ったにもかかわらず、上記の問題を把握するに至らなかったことは極めて深刻な事態と捉え、当社は、客観的・中立的な立場から徹底調査を行うため、弁護士などの社外専門家によるチームに調査を委託することとし、同年6月6日に長島・大野・常松法律事務所に調査の実施を依頼しておりましたが、本日、その報告書(以下「本報告書」)を受領しました。
本報告書によれば、当社においては既に報告書を公表している不正行為に加え、以下の不適切行為が行われていたことが判明しました。
1.燃費・排出ガスの抜き取り検査に関して
(1)トレランスエラー時間の書換え (2)温度および湿度エラーに関わる測定結果の書換え (3)測定端末におけるデータの書換え等 (4)その他、不適切な測定プロセスの運用
2.燃費・排出ガスの測定以外の完成検査業務に関して
(1)ブレーキ検査における不適切行為 (2)舵角検査における不適切な検査 (3)スピードメーター指針誤差の検査における検査方法の違反 (4)サイドスリップ検査における検査方法の違反 (5)ずさんな計測値の記録および管理 (6)その他の問題点・不適切行為
上記2.(1)から(6)は、いずれも「ライン完成検査」(最終組立工程に続いて実施する全数検査)で行われていたものです。これらは検査の実施方法に関する記録が残らない検査項目であって、事実の把握においては検査員の記憶によるほかなかったため、不適切行為が行われていた期間や当該行為の対象となった台数を正確に把握することはできませんでした。
本報告書によると、これらの不適切行為が行われた理由・動機は多岐にわたりますが、その原因・背景として、以下の4項目が挙げられています。
これらについて具体的事実を挙げて厳しく指摘されたことを極めて重く受け止め、その原因分析、提言に基づいて当社の再発防止策を抜本的に見直し、以下のとおり、実効性のある対策を実行します。
当社は、度重なる不正・不適切行為により、お客様をはじめお取引先様などステークホルダーの皆様、ならびに広く社会の皆様からのSUBARUへの信頼を失う結果を引き起こしました。
これは「企業風土」という体質的問題や、従業員のコンプライアンス意識の問題だけに起因するものではなく、当社経営陣の完成検査業務に対する認識および関与が不十分であったことを、本報告書で指摘されています。 2018年6月に発足した現経営体制の下、その経営責任を全うするためトップ自らが陣頭指揮を執って上述の再発防止策を確実に実行し、皆様からの信頼を一歩ずつ回復していきます。
多大なご心配やご迷惑をおかけすることを、改めて心よりお詫び申し上げます。
【添付資料】 【1】:完成検査における不適切な取扱いに関する調査報告書 <長島・大野・常松法律事務所作成> 【2】:当社の再発防止策
以上
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