渋谷の「SUBARU Lab」で生まれる新たな価値

渋谷の「SUBARU Lab」で生まれる新たな価値

記事内の日付や部署名は、取材当時の情報に基づいた記述としています

仕事は違っても、「笑顔をつくる」という想いでつながる「SUBARUびと」。様々な部署で働く「SUBARUびと」を、仕事内容や職場の雰囲気を交えてご紹介します。今回は執行役員CDCO(最高デジタルカー責任者)柴田さんに、自身が所長を務める「SUBARU Lab」についてインタビューしました。

柴田 英司さん

柴田 英司(しばた えいじ)さん執行役員CDCO(最高デジタルカー責任者)

1989年に入社。1998年から一貫して運転支援システムの開発に携わる。2008年に世界初のステレオカメラ単体による衝突被害軽減機能を搭載した「アイサイト」をリリース。現在、AIによりアイサイトを進化させるとともに、SUBARUらしい次世代のクルマづくりを探求し続けている。

目次

先行開発から量産化まで
一気通貫で手掛ける
「SUBARU Lab」

柴田:
私たちは、「2030年死亡交通事故ゼロ*1」という目標を掲げ、挑戦を続けています。この目標を実現するためには、アイサイトにAIの判断能力を融合することが不可欠であると考え、2020年12月に「H1O 渋谷三丁目」内に「SUBARU Lab(スバルラボ)」を設立しました*2
ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)領域では、自ら考え、自らの手で創造する「内製開発」にこだわっています。「SUBARU Lab」ではAIアルゴリズム、開発システム、AIを処理する半導体の開発も同時に進めていくためIT企業が集まる渋谷に拠点を構え、自動車業界以外からも積極的にエンジニアを採用しました。多様なスキルを持つキャリア人財が加わることで、新たな可能性が生まれています。
2024年4月にはAMDとSoC設計に関する協業を開始*3し、商品化を目指しています。「SUBARU Lab」は研究だけでなく、先行検討・企画から、半導体につながる仕様の策定、量産開発というエンドユーザーに届けるまでのプロセスを一貫して手掛けるのがミッション。この開発の形を「SUBARU Lab」のメンバー全員で確立できたことが大きな経験であり、成果だと考えています。

自動車業界の変革期に
対応し進化する、
新しい「SUBARU Lab」

柴田:
現在、自動車業界は大きな転換期を迎え、SDV(Software Defined Vehicle)というキーワードに象徴されるよう、ソフトウェアでクルマの価値を上げていく時代へ移行しています
アイサイトのような運転支援システムだけではなく、車両制御、インフォテインメント、サーバーシステムなど幅広い領域で、ソフトウェアの比重がより重くなっていくなかで、「SUBARU Lab」もまた変わっていかなくてはならない。アイサイトの開発をさらに強化していきながら、一方で他の技術領域まで拡張したソフトウェア開発拠点を作る必要があると考えました
それが2025年2月、「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」内に2拠点目の「SUBARU Lab」を開設する*4大きな理由です。新拠点では、「H1O 渋谷三丁目」の「SUBARU Lab」や三鷹、群馬の既存拠点と連携し、「運転支援システム」、「インフォテインメント/コネクティッド」、「電動制御系の開発」、「ITサービス連携」の4つの領域に注力する計画です。「H1O 渋谷三丁目」内の「SUBARU Lab」と同様に、IT企業集積地である渋谷、IT開発のど真ん中に開設することで、スピード感を持って多様なスペシャリスト人財の採用や幅広いIT関連企業との協働を行っていきます。

柴田さん

お客様のために、
考え、やり切ることが
正解へつながる

柴田:
先行検討から量産開発まで一気通貫で携わり、お客様を想定しながら開発ができるのが、「SUBARU Lab」の魅力。自動車開発は安全性が最重要で、失敗が人命に関わるため開発は非常にシビアで、時間がかかります。私たちは前例のないことに挑戦していますので、正解は誰にもわかりません。
多様な技術要素をそれぞれのエンジニアが深掘りし、クルマに自分のソフトウェアを搭載したときに起きる事象と徹底的に向き合う。データを取り、修正する。それを積み重ねることで、だんだんアイデアが製品レベルに近づき、最終的に商品化され、安全に世界中の道を走る。だからこそ大きな達成感が得られると思っています。
SUBARUは、「この技術がクルマに必要だ」というエンジニアのこだわりが強い会社です。お客様にとっていいと思うものを、自分たちで考えて、自分たちでつくる。技術の壁を突破し新しい価値を生み出すのはエンジニア一人ひとりの力。プレッシャーもありますが、面白いから、自分がやりたいからとコツコツ、コツコツとトライアンドエラーを繰り返した結果が正解につながっていきます。

柴田さん

自動車技術の過渡期は、
エンジニアにとって
またとないチャンス

柴田:
自動運転、SDV、バッテリーEVなど、今まさに自動車技術の過渡期ですので、エンジニアにとって技術を身につける絶好の機会です。新しい技術を生み出さなければならないと時代が動いている、そのど真ん中で身につけた技術や考え方は、エンジニアのキャリアにとって大きな財産となります
またクルマの開発は世界規模で行われています。同じ商品・技術でも様々な考え方があり、世界を回って多くのエンジニアからヒントをもらって開発に活かす経験もできる、世界へつながる仕事になっていきます。アイサイトの開発時も、ステレオカメラでクルマをダイレクトにコントロールする技術は世界で誰もやっていなかったこと。一人ひとりが得意とする領域で新たな発見をし、それを形にできる。技術の過渡期は、エンジニアにとって、とても面白い時期だと思います。
私たちにとっても「SUBARU Lab」は新しいチャレンジ。一緒に新しい時代を切り拓いていきましょう。

柴田さん

業界の変革期に新しい技術に挑戦し続け、未来の安全と価値を創造する「SUBARUびと」。ぜひ次回のコラムもご期待ください。

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