ストロングハイブリッド 開発秘話 Vol.2 HOME SUBARUらしさ SUBARUびと ストロングハイブリッド 開発秘話 Vol.2 ストロングハイブリッド 開発秘話 Vol.2 記事内の日付や部署名は、取材当時の情報に基づいた記述としています 仕事は違っても、「笑顔をつくる」という想いでつながる「SUBARUびと」。様々な部署で働く「SUBARUびと」を、仕事内容や職場の雰囲気を交えてご紹介します。今回は、2024年12月に発表のクロストレックに新搭載される「ストロングハイブリッド」の開発に携わるメンバーにインタビューしました。 「ストロングハイブリッド」に関するニュースリリースはこちら。 小林 哲夫(こばやし てつお)さん 1991年入社。大学では機械システム工学を専攻。入社後は駆動系の先行開発業務に従事し、プラグインステラ、マイルドハイブリッドの開発で電動車両との関わりを持ち、ストロングハイブリッドのパワートレイン開発統括業務に至る。 目次 限られたスペースでの設計の工夫 小林: 今回、ストロングハイブリッド車(以下、SHEV)の開発にあたり、私はパワーユニットの電動駆動領域の設計を担当しました。SHEVは、従来のクルマにはない機構や部品が搭載されています。そのため、エンジンルームの限られたスペース内に新たな部品を配置するのに工夫が求められました。それに加えて、出力をはじめとするパワーユニットそのものの性能と、衝突安全性などの他の性能をうまく両立させる必要があり、苦労したところです。 特に難しかったのは、「パワーコントロールユニット」(以下、PCU)*1の搭載場所です。過去米国に導入したプラグインハイブリッドモデル「CROSSTREK HYBRID(クロストレック ハイブリッド)」では、後部座席フロア下の燃料タンク付近に搭載していましたが、SHEVではエンジンルーム内に移動させました。PCU以外にもエンジン上部に置く部品はあるのですが、それらの性能を犠牲にしないよう、限られた空間をどのように活用するべきか、とかなり知恵を絞りました。 新たに部品を配置したことで、今まで以上に連携が必要な部署が増えましたが、メンバーたちがそれぞれ「新しいことを成し遂げるぞ!」と一致団結しながら開発に取り組みました。 *1:高電圧バッテリーから供給される電力のコントロールを司る装置 SHEVをつくるという仲間たちの想い 小林: エンジニアにとって、エンジンを残しながらクルマとして成立させるわけですから、挑戦しがいのある課題が多くあったと思います。新しい電動化のシステムが加わることで、音の性能や強度などもクリアしていく必要があるため、皆が「お客様に満足いただける性能を実現しよう」と努力してくれました。元々ない部品を開発して入れるわけですから、他への影響も出てくるため、メンバーはその度に苦労していましたが、一つひとつ問題を解決していきました。 今回は若手も多く参加し、今後の電動車開発に向けて良い経験を積むことができたと思います。何より、すでに試乗されたジャーナリストの方などから好評価を得ていると聞くと、現場でも安堵の表情が見られますし、私自身もほっとしています。 SHEVで実現する走行の愉しさ 小林: 開発当初は、電動化がさらに加速する空気も感じましたが、私の中では「エンジンはすぐにはなくならないのでは?」とも思っていました。そんな中、世の中も電動車だけというよりエンジンと共存する流れになり、メンバーの中でも期待感が高まりました。私はそれ以上に、取りまとめの立場として全体をマネジメントしなければならないという大きなプレッシャーも感じました。 私たちは、エンジンを残しつつ電動化を進めるという意味で、今回のSHEVは一つの解であると思っています。このSHEVで燃費向上と、走る愉しさを両立させることができたと思っていますので、お客様にもスムーズな加速やモーター特有の走りを新しいテイストとして愉しんでいただけることを期待しています。電動車になってもSUBARUらしさは変えずに、お客様に喜んでいただけるクルマづくりを続けていきます。 開発メンバーと最適な性能を追求し、お客様に満足されるクルマ作りを目指す「SUBARUびと」。ぜひ、次回のコラムもご期待ください。