ボーイング787・777 ・777Xの「中央翼」製造を担う 航空宇宙カンパニー・ボーイング中央翼ビジネス

ボーイング787・777 ・777Xの「中央翼」製造を担う
航空宇宙カンパニー・ボーイング中央翼ビジネス

記事内の日付や部署名は、取材当時の情報に基づいた記述としています

仕事は違っても、「笑顔をつくる」という想いでつながる「SUBARUびと」。様々な部署で働く「SUBARUびと」を、仕事内容や職場の雰囲気を交えてご紹介します。今回は安全な航空輸送に貢献し、世界中の人々をつなぐ役割の一翼を担う、ボーイング787・777 ・777Xの中央翼ビジネスにフォーカスします。

半田工場はボーイング社向け中央翼を中心とした、世界的にも珍しい中央翼生産センターです。

SUBARUは1973年にボーイング社との旅客機生産事業に参画して以来、50年にわたって主要パートナーの1つとして開発・生産に関わってきました。また2023年には、ボーイング中央翼ビジネスの開始から30周年を迎えました*1

*1:ニュースリリース…SUBARU 「ボーイング777」製造及び出荷30周年を迎えて ~半田工場設立30周年~
https://www.subaru.co.jp/news/2023_08_07_144927/

中央翼のモデル

中央翼のモデル

中央翼とは、航空機の左右の主翼と前後の胴体をつなぎ、荷重を支える主要な部位で、燃料タンクの役割も果たすことから、高強度・高液密が求められます。中央翼の製造には高い精度と組み立て技術が必要となるため、対応できるメーカーは非常に限られます。大型航空機の中央翼生産センターである半田工場では、2023年5月に大型航空機中央翼の累計製造・出荷数 3,000機を達成しました*2

*2:ニュースリリース…SUBARU 大型航空機中央翼製造累計3,000機を達成
https://www.subaru.co.jp/news/2023_05_26_201628/

半田工場はボーイング社向け中央翼を中心とした、世界的にも珍しい中央翼生産センターです。

半田工場はボーイング社向け中央翼を中心とした、世界的にも珍しい中央翼生産センターです。

現場を支える若手社員にフォーカス!

石井 優介

石井 優介 さん

2020年入社。固定翼機設計部(ボーイング787設計)で強度解析を担当したのち、2021年からは防衛事業で同業務を担う。2023年5月からは、次期貨物機の開発設計における強度解析を担当する。

私は、ボーイング777の次期貨物機(777-8F)の設計開発における強度解析者として、中央翼上の貨物支持構造の強度検討を担当しています。離陸時・着陸時・飛行中に突風が吹いた時など、機体にはかなりの力(荷重)がかかるため、さまざまな状況を想定して強度を計算しています。

強度設計は航空機の安全に直結するので、限られた時間の中で計算ミスがないよう丁寧に検討しています。これからもさまざまな部品や機体に携わり、先輩方から学びながら一人前の強度解析者を目指します。

佐藤 康平

佐藤 康平 さん

2009年入社。品質保証部 整備検査課でAH-1S*3のIRAN(定期整備)業務を経験したのち、ボーイング777X向け中央翼の生産立ち上げを担当。コロナ禍による2年間の生産停止を経て、ボーイング777X向け中央翼生産の再立ち上げに携わる。
*3:陸上自衛隊の対戦車ヘリコプター、通称「コブラ」

私はボーイング777Xの組立検査係の班長として、4人の班員と組み上がった構造物の品質検査をしています。開けた孔(あな)のサイズが合っているか、取り付けたボルトがきちんと締まっているかなど、品質を細かくチェックし、基準に満たないところは製造部の担当者に直してもらいます。

コロナ禍でストップしていた生産が2023年8月から再開し、今はまだフル稼働には至っていませんが、ヒトやモノが限られる中でいかに作業をスムーズに進めるかを考えながら業務に取り組んでいます。係内での連携はもちろん、他部署との協力が欠かせません。

仕事をする上で大切にしているのはコミュニケーションです。以前、ボーイング777X向け中央翼の生産立ち上げに携わった際、年齢・経験・バックグラウンドが異なるメンバーを取りまとめるという経験をしました。メンバーの意見を耳を傾けながら、「どう伝えたらいいのか?」「どうやって教えるのがベストなのか?」を考える良い機会になった当時の経験は、今の業務においても活きていると感じています。

高度な技術と長年培ったノウハウで、安全な航空輸送に貢献する「SUBARUびと」。 ぜひ、次回のコラムもご期待ください。

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