富士重工業株式会社 会社概要 |
1.会社概況
(1) | 会社名 | 富士重工業株式会社(英文名:Fuji Heavy Industries Ltd.) | |||||||||||||||||||||||||
(2) | 創 立 | 昭和28年7月15日 (創業:大正6年5月) | |||||||||||||||||||||||||
(3) | 本社所在地 | 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 | |||||||||||||||||||||||||
(4) | 代表者 | 代表取締役社長 田中 毅 (たなか たけし) | |||||||||||||||||||||||||
(5) | 主な事業内容 | 「2.業容」を参照のこと | |||||||||||||||||||||||||
(6) | 資本金 | 85,121百万円(平成11年3月末) | |||||||||||||||||||||||||
(7) | 従業員総数 | 14,945人(平成11年3月末) | |||||||||||||||||||||||||
(8) | 業 績 | 平成11年3月期(平成10年4月~平成11年3月) | |||||||||||||||||||||||||
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2.業容
自動車事業の他、4つの事業部門を持つ。
自動車事業は、「スバル」のブランドで軽自動車(660cc)から登録車(2500cc)まで、乗用車中心の展開。主力車種はレガシィ、インプレッサなど。海外では、米・欧・豪など約90カ国で販売。
4事業部門のそれぞれを見ると、航空宇宙事業部門は防衛庁向け航空機の生産や米ボーイング社の旅客機の分担生産などを行い、バス・ハウス事業部門はバスボディの架装の他、コンテナハウスなどの生産・販売を手がける。車両環境事業部門は、JRや私鉄用の鉄道車両、シェアトップを誇る塵芥収集車やゴミ処理システム、各種清掃機器なども扱い、産業機器事業部門は、小型建機・農機・発電機・スノーモービルといった各種レジャービーグルなどに使用される「ロビン」ブランドの汎用エンジンとそのエンジンを使用した完成品などを生産・販売している。
3.沿革
大正6年5月に海軍士官であった中島知久平が創設した飛行機研究所(後の中島飛行機(株))が前身。中島飛行機は、人員数25万名を擁する一大航空機メーカーとなったが、敗戦を機に富士産業(株)と改称、更に、昭和25年企業再建整備法により第二会社として12社が発足した。
昭和28年7月、富士産業第二会社5社の出資により、富士重工業を設立。航空機の生産・販売・修理のほか、「ラビット」スクーター、バスボディ、鉄道車両などの事業も展開した。
昭和33年3月、我が国初の量産軽自動車となる「スバル360」を発表し、四輪車事業に進出。昭和40年10月に、国産初の量産FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車である「スバル1000」を発表、登録車事業に参入した。また、昭和47年9月には、「スバルレオーネ4WDバン」により、他社に先駆け乗用タイプの4輪駆動を開発・販売、昭和59年には、世界で初めて無段変速機の量産実用化を図るなど、独創的な技術を活用した商品展開を図っている。
4.最近の状況
平成2年3月期、米国向け乗用車の販売不振と国内の軽自動車の低迷などにより、昭和45年の株式上場以来初の営業赤字に転落。翌平成3年3月期には、過去の過大な投資戦略の反動なども影響し、更に赤字幅が拡大、無配に転落した。
このため、主力車種「レガシィ」の拡販を核とした国内販売の強化、全社規模のコスト削減、米国事業の建て直しなど、経営再建に取り組み、平成11年3月期には、単独・連結決算ともに、3期連続の増収増益、売上高、営業・経常利益が過去最高という決算で、配当を再建前の水準に戻した。
現在、「存在感と魅力ある企業(グループ)」を目指し、今後も着実に発展を遂げていくためには、独自の技術を磨き、ブランド力を高めていくことが極めて重要であるとの認識のもと、執行役員制の導入、グループ内累損会社の黒字化・累損解消、有利子負債の削減など、グループの経営基盤の一層の強化、経営内容の更なる充実に取り組んでいる。
5.自動車事業部門での主な技術
(1) | 4輪駆動 (4WD)システム | |
昭和47年9月、他社に先駆け乗用タイプ4WDを開発して以来、現在まで500万台を越える実績を持つ。4WDシステムは、特に水平対向エンジンとの組み合わせにより、左右対称なシンメトリー4WDを可能とし、優れた運動バランスを生み出す。現在、全ての車種で4WDを設定、特に「レガシィ」(現行モデル)と「フォレスター」は、4WDのみの車種設定としている。 | ||
(3) | 無段変速機 (CVT) | |
昭和59年2月、世界初の電子制御電磁クラッチ式無段変速機(「ECVT」)を開発。昭和62年2月には、同変速機を採用した「ジャスティ」(1000cc)を発売。平成元年1月からは伊・フィアット社、平成3年12月からは日産自動車に供給を開始。平成10年10月には、新タイプのフル電子制御自動無段変速機(インテリジェントCVT:「i-CVT」)を開発、市場投入を図り、現在では、140万台以上の実績を持つ。 | ||
(2) |
水平対向エンジン | |
昭和40年10月に「スバル1000」で登録車市場参入以来、登録車で水平対向エンジンを採用。全長が短くコンパクト、重心が低い、振動も少ないなどの特長を持つ。「レガシィ」「インプレッサ」「フォレスター」といった登録車は、全て水平対向エンジンを採用する。 |
6.自動車事業部門を中心とした主な他社との関係
コンポーネントビジネスとして、CVTを日産自動車、伊フィアット社に供給。完成車OEMとして、国内は日産自動車から「レオーネバン」(日産名「ADバン」)を、欧州でスズキから「ジャスティ」(ハンガリーのマジャールスズキ社製「カルタス」、現地名「スイフト」)を受けている。生産面では、いすゞ自動車と、昭和62年3月、米国インディアナ州にスバル・いすゞ オートモーティブ インクを設立(出資比率51%、いすゞ自動車49%)し、スバル「レガシィ」、いすゞ「ロデオ」などを現地生産しているほか、ボルボのバス専用シャシを用いバスボディを架装、販売も行っている。また販売面においては、ボルボ、ポルシェ各々の国内での乗用車の販売に協力している。
以上