富士重工業とゼネラルモーターズ 包括提携 |
―21世紀に向けて 着実な発展とさらなる成長を目指して― |
富士重工業(本社:東京都新宿区、社長:田中 毅)とゼネラルモーターズ(本社:米国ミシガン州デトロイト市、社長:リチャード・ワゴナー、以下GM)は、来るべき21世紀において、両社が経営の自主性を尊重しながら互いにメリットを享受し、着実な発展とさらなる成長を遂げるために、資本関係を含む包括提携に合意、本日、東京において契約書に調印した。
提携にともない、富士重工業は、GMを引受人として164.5百万株の第三者割当増資を実施する。この取引は、日米関係各省庁による認可取得後実行されるが、GMは、1,400億円強の出資で、富士重工業の株式総数の20%を取得することになる。富士重工業は、第三者割当増資で得られた資金を主として今回実現した提携による事業協力の実現などにあてる。
富士重工業は、安全・環境面での技術競争が激しくなる中で、4輪駆動(4WD)や無段変速機(CVT)といった他と比較し優位にある技術を有していることなどから、提携を機にCenter Of Expertise(センター オブ エクスパティーズ:技術の中心、以後COE)として、GMグループにおける4WD技術開発分野の中心的存在となる。また、小型車用CVTの技術開発分野でもCOEとしての立場となることが期待されている。今回の提携により、同社は、経営の独立性を保ちながら、GMのもつ環境関連技術などを活かすことにより開発投資を抑え、その資源を4WDやCVTといった同社が得意とする技術に集中させられることになる。そして、他分野での協力の効果なども併せながら、生産・販売を拡大し、さらにグローバルな成長を図っていく。
一方、GMは、今回の提携により、日本での存在感を高め、同社が当面の目標としているアジア市場でのシェア10%を達成するための基盤の確立へとつなげる。また、4WD、小型車用CVTといった分野で、富士重工業のもつ先端技術の移植を図ることで、世界市場での競争力を高めていく。とりわけ、スモールカー(小型車)、ミッドサイズカー(中型車)のセグメントは、今日、世界的に最も成長著しい分野であり、富士重工業のもつ先端技術は、GMがその分野での競争力を高めるうえでの大きな助けとなる。
現在のところ、両社では、下記のような協力を考えており、今後、詳細を詰めていく。
富士重工業とGMは、提携の効果を最大限に発揮させるために、今後、田中、ワゴナー両社長を中心に関係役員を構成メンバーとする提携推進委員会(Alliance Steering Committee)を設置、定期的に会合を実施する。また、平成12年4月以降、商品企画・開発、販売、購買などの分野で、GMが富士重工業に対し、執行役員および幹部社員計5名を派遣、富士重工業もGMに対し同様の分野で同社の社員を派遣するなど、活発な人事交流も行なう予定である。
両社では、今年7月に米国ニューヨーク市における田中、ワゴナー両社長の初めての会談後、それぞれで協力関係の検討に着手。その後、フランクフルトモーターショーならびに東京モーターショーの機会をとらえ会談を重ねてきた。そして、相互に工場や研究開発施設を見学し、提携の可能性と実現に向けての確信を得られたことから、本格交渉に入っていた。
以上