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平成11年4月6日

富士重工業 新型ビジネスジェット機 初号機の主翼を納入

 富士重工業(田中 毅社長)は、かねてよりレイセオン・エアクラフト・カンパニー(ウエグナー会長、米国カンザス州、以下RAC社)に協力し、開発に取り組んできたスーパー・ミッドサイズ・ビジネス・ジェット機「ホーカー・ホライゾン」の初号機の主翼システムを、このたび、RAC社のウイチタ工場(米国カンザス州)に納入した。

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 今回納入した「ホーカー・ホライゾン」の初号機の主翼システムは、富士重工業が平成8年夏よりその構造およびシステムに関して開発・製造を分担しているもの。ウイチタに派遣された構造・艤装設計、生産技術などからなるチームによる概要設計を経て、同社の航空宇宙事業部門の開発・生産拠点である宇都宮製作所(栃木県宇都宮市)にて関連各部門を統合・結成したインテグレーテッド・プロダクト・チーム(IPT)が、設計・製造・管理業務を一体としたコンカレント・エンジニアリングにより、詳細設計、実証試験、そして製造を進めている。
 その構造は、大型一体機械加工部品を中心とするアルミニウム合金で構成されており、それぞれの部位に最も適した種類の合金とその処理方法が選定されている。また、主翼に関係する油圧・電装など全ての艤装システムも富士重工業が取りまとめている。

 富士重工業では、引き続き試験機および量産機用の主翼システムの納入を計画しており、これらにより、RAC社では、今後、各種試験を行い、平成13年中の型式証明取得と顧客への初号機納入を計画している。

 「ホーカー・ホライゾン」は、RAC社が中心となって開発しているアメリカ大陸の無着陸横断を可能とするスーパー・ミッドサイズ(中型の上位クラス)の双発ビジネス・ジェット機で、最新のコンピュータ技術によりバランスの取れた空力特性を有しており、また、複合材胴体パネル活用による優れた居住性を有する機体である。
 富士重工業は、かつてのFA-200(注1)、FA-300(注2)をはじめとする各種民間航空機で培った技術力をもとに、この「ホーカー・ホライゾン」などにより、新たな事業の展開を図っている。

【ホーカー・ホライゾンの主要諸元】
  全        幅   18.8m
全        長 21.0m
最大航続距離 約6,300km
推        力 約2.9t×2基
乗        員 2名
乗        客 8名(エクゼクティブ仕様)、最大13名


注1.FA-200: 富士重工業が単独開発した戦後初の国産軽飛行機。昭和40年8月初飛行。
これまでに300機を生産。愛称「エアロスバル」。
注2.FA-300: 富士重工業が米国・ロックウェル社(現ボーイング社)と共同開発した双発ビジネス機。昭和50年11月初飛行。昭和54年度までに47機を生産。

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