平成11年１月28日

スバル サンバーをフルモデルチェンジ
新規格「サンバー」シリーズを発売

　富士重工業（田中　毅社長）は、キャブオーバー型軽自動車 スバル サンバーをフルモデルチェンジし、新規格「サンバー」シリーズとして、２月10日より全国スバル特約店を通じ一斉に発売する。

　新型「サンバー」シリーズは、軽自動車新規格に対応し、「トラック」、「バン」、乗用ユースの「ディアス」とも、シャシーフレーム付新環状力骨構造の新採用による高い安全性の確保と、フルキャブボディの採用によるクラストップレベルのカーゴスペースの確保を両立した、ベストレイアウトの軽商用車となっている。

　サンバーシリーズは、昭和36年２月にトラック、同年９月にライトバンを発売以来、軽キャブオーバー型唯一の本格的シャシーフレーム付ボディと、４輪独立サスペンション及びＲＲ（リヤエンジン・リヤドライブ）レイアウトによる優れた信頼性と快適性により、ビジネスからレジャーまで広い範囲にわたり今日に至るまで好評を博している。

サンバー トラック ＴＣ

サンバー バン ＶＣ

サンバー ディアス スーパーチャージャー

■開発のポイント

1. フルキャブボディの採用による、クラストップレベルのカーゴスペースの確保や、スペース効率と走行安定性に優れるＲＲレイアウトの採用など、スバル独自の技術による、新安全基準への対応と高いスペースユーティリティの両立を実現。
2. 走りを支える高度なアクティブセイフティと、新安全基準に適合したパッシブセイフティを実現。
3. 乗用車感覚の快適な運転姿勢、自然なペダル類のレイアウト、スムーズな乗降性、機能的で使い易いインテリアなどにより、実質的な使い勝手を向上。
4. 全域で出力性能を向上させたエンジン、新設計の４輪独立サスペンション、使い易いコラムシフト式電子制御３速オートマチックトランスミッションの採用など、各種機構を一新し走行性能を一段と向上。
5. 燃費性能やリサイクル率の向上を実現。また、脱鉛化対応の環境目標基準を、積極的に先取りしてクリア。

■商品の主な内容

１．パッケージング

• 全長＋100mm、全幅＋80mmの軽自動車新規格に対応し、衝突安全性能を高めるとともに、フルキャブボディの採用により、軽商用車トップクラスのカーゴスペースの確保を実現。また、運転席回りや足元のスペースを拡大することにより、足元の広い自然なペダルレイアウトや、スムーズな乗降性も実現。
• エンジンを後輪の後方に配置した、軽キャブバン及びトラック唯一のＲＲレイアウトを採用し、広くフラットな積載スペースと余裕の居住スペースの両立を実現。
• ボディの大型化にもかかわらず最小回転半径は従来と同じ3.9mとし、小回りの良さを実現。

２．ユーティリティ

• ＡＴ車は、足元空間の拡大とコラムシフトの採用により、フロントサイドウォークスルーを実現。
• 運転席まわりのポケット類やツールホルダー式パーソナルボックス、コンソールボックスなど、使い勝手を高める収納スペースをより充実。
• 荷台(室)幅の＋80mmの拡大、ステアリングホイールの角度の最適化や、運転席リクライニングの採用、シートスライド量の後方延長などにより、乗用車感覚の快適な運転姿勢を実現。
• ＲＲレイアウト、フローティング構造などの採用により、優れた静粛性を確保。
• 空調の性能を大幅に向上させ、冷房及び暖房性能をより向上。

　○トラック系

• クラス最大の荷台長1940mmを、全幅にわたり確保。
• 荷台の幅を1410mmに広げ、さらに積載性を向上させるとともに、鳥居の形状を改良し、箱物などの積載能力も向上。
• 荷台をはじめ随所に、防錆効果の高い亜鉛メッキ鋼板を採用。
• トラックをベースにカーゴスペースを拡大した、ハイルーフキャビンのパネルバンも展開。　　

　○バン系

• 最大荷室長 1875mm（運転席側）、荷室幅 1320mm（２名乗車時の場合。４名乗車時は1340mm)の、クラストップレベルのカーゴスペースを確保。
• ＲＲレイアウトによる低床フロアを活かし、背の高い荷物の積載を容易にするとともに、高めに設定したサイド及びリヤゲート開口部の間口により、荷物の出し入れなどの利便性向上も実現。
• ドアパネル、スライドドア、リヤゲートに、防錆効果の高い亜鉛メッキ鋼板を採用。　

　○ディアス系

• バンをベースに、ＵＶカットガラス、パワーウインドゥ、キーレスエントリー、カーゴソケットなど、乗用ユースを意識した機能的で快適性を高める装備を充実。
• 分割可倒式リヤシートの採用により、多彩なシートアレンジを実現。
• スーパーチャージャー車には、スモークガラス（スライドドア・リヤクォーター・バックドアガラス）、マルチリフレクターフォグランプ、フロントスタビライザー、トノカバー＆カーゴフックなど、さらに充実した仕様・装備を採用。

３．安全性能

• スバル独自の強固な安全キャビンである、シャシーフレーム付新環状力骨構造を採用。ボディを環状に強化することで、全方向からの衝突エネルギーを効果的に分散させ、キャビンの変形を防ぐことで乗員の安全を確保。これにより、新安全基準を上回る衝突安全性を確保。
• 前面衝突のエネルギーを効果的に吸収する、新構造のＹ字型シャシーフレームを新採用。
• 衝突のダメージを軽減する、衝突吸収ステアリング＆ステアリングコラムを新採用。
• 全車に運転席ＳＲＳエアバッグを標準装備。また、ディアス系にはメーカーオプションにてデュアルＳＲＳエアバッグを設定。
• 前面衝突時に、乗員の胸部に加わる負荷を軽減するロードリミッター付フロントシートベルトを全車に採用。
• 運転席のシートベルトには、上下５段階、約90mmの調節が可能なショルダーアジャスターを全車に標準装備。（ディアス系は助手席にも採用）

４．エンジン

• ４気筒エンジンをさらに改良し、全域で出力性能を向上させるとともに、燃費性能も向上。
• ＮＡ（自然吸気）エンジンは、従来型のキャブレターに変えて、全車にＥＧＩ（電子制御燃料噴射方式）を採用。始動性、信頼性をはじめ、エンジン性能をさらに向上。
• スーパーチャージャーエンジンは、新設計のスーパーチャージャーの採用により、低中速域でのさらなる力強い走りを実現。
• ディストリビューターレスイグニションの採用、アンダーカバーの大型化によるエンジンルームへの被水の軽減などにより、エンジンの防水性をより強化。

５．ドライブトレーン及びシャシー

• 電子制御３速オートマチックトランスミッションであるＥ－３ＡＴを新採用。パワーモードシフトや登坂制御などのきめ細かい制御により、さらなるイージードライブを実現。
• 新設計の４輪独立サスペンションを採用し、乗り心地と操縦安定性をより向上。サスペンションのアライメントの最適化も実施し、タイヤのロングライフ化も実現。
• 倍力装置のサイズアップ、フロントベンチレーテッドディスクブレーキの改良、リヤドラムブレーキのサイズアップ、ツインプロポーショニングバルブや２系統クロス配管の採用などにより、ブレーキシステム全体の性能を向上。
• 操舵感と乗用車感覚の運転姿勢を両立させた、等速ジョイント付新ステアリングシステムを採用。
• ４センサー４チャンネルＡＢＳのメーカーオプション展開車種を拡大。
• トラック系の４ＷＤ・ＭＴ車にはローギヤよりもさらに力強いＥＬ（エクストラロー）を設定。

６．環境性能

• ラジエーターコアやヒーターコアのアルミ化、鉛フリーハーネスやホイールのスチール製バランスウエイト採用等により、鉛の削減に関する2005年目標を先取りしてクリア。
• 遮音材などに、市場回収バンパーなどのリサイクル材を活用し、リサイクル率を向上。
• 燃費性能のさらなる向上を実現。

■販売計画

シリーズ全体で８,０００台／月

■メーカー希望小売価格（全国統一価格）〈消費税含まず〉