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平成11年10月13日
ご参考
富士重工業・アトックス 放射性汚染除去水底ロボットを開発、実用化

富士重工業株式会社
株式会社アトックス

 富士重工業(社長:田中 毅)と原子力施設のメンテナンスを手がけているアトックス(社長:鈴木 貞一郎)は、このたび、原子力発電所における特殊環境下のメンテナンス機器として、放射性汚染除去水底ロボットを共同開発し、実用化に成功した。

image  今回、実用化した放射性汚染除去水底ロボットは、作業員の安全確保のために無人化が課題とされている原子力発電所において、原子炉部品保管プール(D/Sピット)での除染作業のために開発したもの。このロボットは遠隔操作によってプール床面を無人走行し、プールに水が残っている状態でもプール底部に堆積したクラッド(放射性を帯びた塵など)と残水を吸引回収する。装置はノズル機構、クラッドと残水を別装置のフィルタまで圧送する機構、および水底をブラッシングし汚染を除去する機構から構成されており、水深10mまでのプールなどを清掃できる耐圧性を持つ。走行は左右独立のモータ2基で四輪を駆動することにより、障害物を乗り越えることを可能とするとともに、旋回半径を小さくしている。操作は、1本の操作レバー(ジョイスティック)により行う。外形寸法は幅880 ×奥行1300 × 高さ700 mm、質量は350 kg、走行速度は毎分6~10mである。また吸引ノズルの幅は750mmとなっている。両社では、平成9年より開発に着手し、平成10年8月から試作機での試験および改良を行っていた。

 富士重工業は、平成6年10月から無人清掃ロボットを販売しており、今回の放射性汚染除去水底ロボットも、無人清掃ロボットのノウハウを用いている。なお無人清掃ロボットについては、エレベーターとの連動によるオフィスビル全フロアの清掃システムの開発にも成功、実用化している。

 アトックスは、昭和32年に民間企業で初めて原子力施設内に事業所を開設し、そのメンテナンス業務を開始、以来、原子力発電所や原子燃料サイクル施設などのあらゆる原子力関連施設において、点検・保守・補修業務を請け負っている。また、壁面除染機など多種メンテナンス用ロボットを開発、実用化している。

 なお、富士重工業とアトックスは、放射性汚染除去水底ロボットを、10月26日から29日まで東京国際展示場で開催される「'99国際ロボット展」に出展する。

【アトックスの会社概要】
社 名 株式会社 アトックス
所在地東京都中央区新富2丁目3番4号
社 長鈴木 貞一郎
資本金150百万円
従業員数1,660名
設 立昭和55年9月1日(株式会社ビル代行から分離独立)
事業内容原子力発電所、原子燃料サイクル施設およびラジオアイソトープ事業所の放射性汚染除去、廃棄物処理、放射線管理から施設・設備のメンテナンス、システム機器の開発・製造・施工まで



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