2009年4月14日

富士重工業 「スバル プラグイン ステラ プロトタイプ」を開発
~環境省に15台提供、5府県市・郵便事業株式会社で実証実験~

 富士重工業は、今年夏から市場導入を予定している電気自動車「スバル プラグイン ステラ」のプロトタイプを開発、環境省に15台を提供します。この15台は、5府県市ほかで実証実験に供される予定です。

 今回のプロトタイプは、従来発表していたコンセプトモデルとの比較で、モーターの出力を40kWから47kWにアップし高出力化による走行性能を向上、さらに出力制御をよりきめ細やかに行い、かつ軽量化により一層の高効率化を図っています。また、バッテリー・パックの最適化・小型化、運転席メーター類の改良、内装仕様の変更なども施しました。今後、量産化されるモデルは、今回のプロトタイプと基本的に同一の仕様となります。

 環境省は「低炭素社会づくり行動計画(2008年7月閣議決定)」に基づき、電気自動車の普及拡大を図るため、次世代自動車等導入促進事業を行っています。スバル プラグイン ステラは、本事業の対象車種に選ばれ、15台が提供されます。カーシェアリング形態で運用されるため、必要な通信装置などを架装したのち、神奈川県に4台、愛知県に3台、大阪府に3台、兵庫県に3台、横浜市に1台、郵便事業株式会社に1台、それぞれ2009年6月まで貸与される予定です。

 これまで富士重工業は、将来の自動車の動力源として注目されているリチウムイオンバッテリーと、それを用いた次世代電気自動車の研究に取り組んできました。2006年6月からは東京電力と共同で、業務用電気自動車「スバル R1e」を開発、そのシステムやノウハウをもとに2008年6月には「スバル プラグイン ステラ コンセプト」を完成させ、北海道洞爺湖サミットでの運用や日本郵政グループの郵便事業株式会社における郵便物集荷配達業務での実証実験などに取り組んでいます。
そして、今年2009年7月から量産車の市場導入を開始する予定で、2009年度は170台程度の供給を計画しています。なお、価格や販売方法、アフターサービス体制などについては現在検討中です。

 富士重工業は「快適、信頼の新しい走りと地球環境の融合」を追求したクルマづくりを目指しています。その中で、環境保全に対応する取り組みとして、既存のパワートレーンの改良はもちろんのこと、電気自動車も重要な技術のひとつとして位置づけ、今後も一層の研究開発に注力していきます。

【主要諸元】

全長×全幅×全高 3,395mm×1,475mm×1,660mm
車両重量 1010kg
乗車定員 4名
最高速度 100km/h
一充電航続距離 80km
モーター種類 永久磁石式同期型
最高出力 47kW
最大トルク 170N・m
駆動方式 前輪駆動
電池種類 リチウムイオンバッテリー
総電圧 346V
総電力量 9kWh

スバル プラグイン ステラ プロトタイプ