2009 年1 月16 日
富士重工業 2009年新春会見 要旨
2009年3月期業績予想を修正、トヨタグループとのアライアンスは順調に進捗
富士重工業は本日、都内で会見を行い、2009年3月期の業績予想を下方修正するとともに、トヨタグループとのアライアンス、2009年市場投入予定の新型車などについて、説明をした。以下はその骨子。
<2008年暦年の小売販売状況>
- スバルの2008年は、年終盤の世界的な経済環境の悪化の影響を受けたものの、インプレッサやフォレスターの新車効果により、日本を除く主要市場で、前年実績を上回る小売販売を確保。
- 米国の小売は、前年比100.3%の188千台、前年実績を越えた唯一のフルラインメーカーとなる。
- 欧州主要9市場では、水平対向ディーゼルエンジンの投入もあり、合計で前年比100.0%の39千台。
- 他に、ロシアは前年比139.3%の22千台、カナダは同120.5%の20千台、豪州は同100.1%の38千台、中国は同205.9%の19千台。日本でも登録車は同100.3%の85千台と、登録車シフトが進捗。
<生産調整>
- 金融危機に端を発する世界的な消費低迷を受けて、生産計画の修正を実施。
今後も柔軟に対応。 軽自動車を生産する本工場では、2月から2直交代を取りやめ平常勤務のみでの生産に変更。 また、群馬製作所では2月中に1日、生産ラインの稼働休止を予定。
<業績予想の修正>
- 経営環境の変化を受けて、今年度の業績見通しの修正を発表。
売上高は1兆4,400億円、営業損失90億円、経常損失90億円、当期純損失190億円。 - 下方修正の主要因は、販売台数の減少と為替レート差による損失。
連結販売は、従来計画比で、国内で22千台、海外で39千台の合計61千台の減少を見込む。 - 営業利益の対従来計画比での要因分析は、為替レート差▲65億円、売上構成差▲370億円、それを貴金属他市況の改善による原価低減の戻入で+30億円、試験研究費の削減+20億円、販売管理費など諸経費の削減で+65億円と改善を図り、総計▲320億円。
- 特別損失として、航空宇宙部門でChapter11の申請を行ったエクリプス社関連の損失引当、WRC参戦終了に伴う損失などを計上。最終純損失となるのは15年ぶり。
- 期末配当に関しては、検討を重ねており、現時点では未定。
<緊急対策>
- 投資計画の見直しに着手。緊急性・投資効果の最大化を勘案して、既存計画の20%以上の削減を目指す。
- さらなる一般管理費、販売費の削減。
- 費用削減対策の強化として、取締役賞与をゼロとし、取締役・執行役員報酬の10%カットを1月から実施。
<トヨタグループとのアライアンスの進捗>
- 今年後半に始まるダイハツ工業からの軽自動車のOEMは計画通り。その後も順次、車種毎に切り替えていく予定。
- トヨタ自動車からの小型車OEMについても予定通り検討が進捗。
- トヨタ自動車との小型スポーティカーの共同開発は現在順調に進捗。当初のコンセプトに加えて、一層の動力性能、環境性能の向上に取り組む。
- この共同開発車を生産する新工場建設を見直し。
投資額抑制のため、共同開発車の生産は既存工場のリニューアルで対応することに変更。 生産設備は必要に応じて順次最新化する。 - アライアンスのプロジェクトについては、環境の急激な変化に対応しながら、着々と進捗。
トヨタグループとのWin-Winの関係を維持し、最大限の努力をはらい、この逆境を乗り越えていく。
<新型レガシィ>
- 1989年の初代誕生から今年で20周年となる、基幹車種レガシィのフルモデルチェンジを予定。
第5世代となる新型レガシィを販売の牽引役とする。
<環境・安全技術/電気自動車>
- 将来の糧としての試験研究、特に環境、安全の分野での技術開発には、一層の効率化を図りながらも、これまで通り注力。
- 電気自動車元年とも言われる今年、「プラグイン ステラ」のデリバリーを夏に開始予定。
首都圏を中心に100台以上の納入を計画。EVの普及・啓蒙を進め、車の環境負荷低減に取り組む。 - 昨年も、世界中の衝突試験でスバルの高い安全性が実証される。
- この1月からITS推進協議会が実施している大規模公道実証実験にも、先進安全自動車ASVを開発して、他の自動車メーカーなどとともに参加。
<今後の対応>
- 今後も、中期経営計画で策定をした「スバルらしさの追求」、「グローバルな販売」、 「コスト構造の改革」などのテーマを堅持し、より一層のスピードをもって推し進めていく。
- 経営環境が従来以上のスピードで激変する中で、生き残りをかけた構造改革を実施。
- 中期経営計画の目標値は、為替の前提、販売台数計画などの現状を踏まえて見直し中。
以上