富士重工業 2007年度連結業績の概要
<2007年度業績:売上高>
スバルの国内市場は、新型インプレッサ、新型フォレスターの販売台数が伸びたものの、既存車種の台数の減少により、販売台数は前年同期比92.0%、208,690台となった。一方、海外は、北米、欧州をはじめすべての市場で前年同期実績を上回り、なかでも前年比で大幅に販売を伸ばしたロシアや中国など新興市場が牽引する形で、販売台数は同110.5%の387,975台となった。
国内、海外合わせた世界販売台数は、同103.2%の596,665台で、為替レート差もあり、スバル自動車部門は増収となっている。
その他の事業部門は、主に、航空宇宙部門の民間機需要の好調が増収要因となっているものの、産業機器部門で保有株式売却により富士ロビン(現 マキタ沼津)が連結子会社でなくなったことなどによる減収要因があり、減収となった。
全体では、前年同期比105.2%、775億円の増収となる、1兆5,723億円の売上となった。
<2007年度業績:利益>
営業利益は、原材料の高騰に対処しながらの原価低減努力や、為替レート差などによる増益があるものの、国内販売の伸び悩みや海外の車種構成の悪化、減価償却制度変更にともなう諸経費の増加などの減益をカバーするまでにいたらず、合計では前年同期比95.4%、457億円の実績となった。
経常利益は、為替の影響などにより、同107.6%の454億円と増益になったが、当期純利益は、前期に計上していた固定資産売却による特別利益がなくなったことや、将来予定されている生産体制の再編にともない群馬製作所(群馬県太田市)の軽自動車にかかわる製造設備の減損損失を計上したことなどにより、同57.9%の185億円と減益になっている。
<2007年度業績:その他>
2007年度のフリーキャッシュ・フローは前年同期に比べ403億円増の625億円、年度末の有利子負債は3,045億円と同393億円の減少、また、自己資本比率は38.1%となっている。
<2008年度計画>
2008年度のスバル車販売は、主力車種レガシィや国内軽自動車の経年化による台数減を、国内市場への多人数乗り車と小型OEM車の新規投入、欧州市場へのディーゼル車の新規投入、新型フォレスターの世界展開など商品ラインナップの充実でカバーすることで、前年度を上回る販売を目指し、全体の通期売上高においても、前年実績を上回る1兆6千億円を見込んでいる。
しかし、鉄鋼、原油、貴金属などの原材料の高騰や市況の悪化、大幅な円高に振れている為替レートなど、経営環境は非常に厳しく、利益面ではこうした影響を考慮して、それぞれ前年同期比減益となるが、営業利益で230億円、経常利益で200億円、当期純利益で100億円を計画している。