2007 年12 月21 日

富士重工業、積雪地域の路面凍結に対する情報提供「秋田つるナビ社会実験」に参画

 富士重工業は、本日より秋田市を中心に開始される「秋田つるナビ社会実験」(事務局:秋田大学土木環境工学科 浜岡秀勝准教授、http://tsurunavi.ce.akita-U.AC.jp/)に参画、将来の冬季交通事故予防対策に協力する。

 この社会実験は、クルマを1つのセンサと見立て、走行するそれぞれのクルマからリアルタイムに収集する車両情報から交通環境を推定するプローブカー技術を用いたもの。寒冷地域では、冬季の路面凍結による重大事故の発生が、社会問題のひとつと捉えられており、その対策案として展開されている。
 具体的には、走行中の車両からから速度、ABS(アンチロックブレーキ)やTCS(トラクションコントロールシステム)などの安全装置の作動情報、外気温などをGPSによる位置情報、時刻と合わせて移動体通信網を経由してサーバに収集、サーバでは収集した情報の分析を行い、路面凍結情報としてまとめ、インターネット上の専用ホームページに公開し、一般の多くの運転者に危険個所を知らせ、注意を喚起するものである。

 富士重工業は、本実験の基幹システムとして、独自の車両データ収集システムである“スバル・ユーザ・コミュニケーション・システム”を提供するとともに、地元の秋田スバル自動車の協力もあわせて情報収集を行う実験車両を提供する。同社は、2005年度の基礎実験の段階から、このプロジェクトに関与しており、本実験への参画は昨年2006年度に続くものである。また、本年度の実験では、一部の実験車両に、同社がSRI研究開発*と共同評価を進めて来た、スリップ率から路面の滑り易さを独自に推定する機能を搭載し、より高精度な情報提供を試みる予定である。昨年度も同機能を搭載した車両を用意していたが、精度向上の改良や暖冬の影響などでデータ収集が十分ではなかったので、今年度は実験車両の台数も増やし、本格的な運用を目指す。

*SRI研究開発(本社:兵庫県神戸市中央区、住友ゴム工業の関係会社)

 富士重工業は、万が一の衝突時に運転者や搭乗者、歩行者などの被害を低減する安全技術の開発はもちろんのこと、交通事故を未然に防ぐ新しい予防安全技術の開発についても注力しており、センサとしてのステレオカメラ技術や車両制御技術の研究、商品化を進めている。
 こうした考え方にもとづき、寒冷地域の冬季の交通事故予防、事故被害の低減を目指す社会実験に積極的に協力しており、秋田のほか、札幌でのプロジェクトにも昨年度、今年度と参画している。