2006年5月9日

富士重工業 2005年度業績の概要

<2005年度業績:スバル車連結売上台数>

国内市場では、前年度の新型車効果の反動で軽自動車が大きく台数を減らし、また、大幅改良を施したインプレッサが拡販に寄与したものの他の登録車の減少をカバーできずに、合計では前年比9.4%減の230千台となった。
海外市場は、北米市場への新型車「B9トライベッカ」導入に加え、欧州やアジアでの新興市場を中心とした輸出の拡大、豪州の継続的な拡販など各地域で出荷が伸張し、合計では前年比4.2%増の341千台となった。

<2005年度業績:連結売上高>

2005年度は、スバルの国内市場での苦戦を海外市場でカバーし、為替もプラスに作用したことから、自動車部門の売上は増収となった。また、防衛庁向けの新規プロジェクトの立ち上りとボーイング向け需要回復により大幅に売上が増えた航空宇宙カンパニーを中心に自動車以外の事業も順調に推移し、関係会社関連の減収や米国生産子会社での受託生産終了によるマイナス要因をカバーして、全体の売上高は前年度実績を299億円上回る14,764億円、過去最高を5年連続で更新することができた。

<2005年度業績:連結利益>

スバルは、国内市場の販売台数減少、海外市場での安全・環境対応のコスト増、原材料の高騰などにより、利益確保が非常に厳しい状況であった。その対応として、より一層の原価低減努力や諸経費の圧縮、試験研究費の効率的運用などに努め、為替の円安傾向にも助けられたため、営業利益は従来の予想を上回る前年同期比38.8%増の583億円となった。
しかし、当期純利益は、減損会計の適用やゼネラルモーターズ社との提携解消による新型車開発中止損失、希望退職者への割増退職金などの特別損失が大きく影響し、前年度実績を26億円下回る156億円に留まった。

連結会計期間末(2006年3月末)におけるキャッシュフローは、現金および現金同等物が1,124億円と2005年3月末比193億円の減少、有利子負債は、同381億円減の3,741億円となっている。また、株主資本比率は34.5%となっている。

<2006年度通期見通し>

2006年度連結通期売上高の計画は、国内での新型軽乗用車の投入や堅調な海外市場の動向、さらに航空宇宙カンパニーの一層の伸張を踏まえ、為替相場の動向も鑑みながら、売上高で前年実績を736億円上回る1兆5,500億円を見込んでいる。
利益面では、販売台数の増加による増益を計画するものの、為替レート差や将来に向けた試験研究費の増加、原価低減努力を打ち消すほどの昨今の原油や貴金属、非鉄金属の高騰に見られる市況の悪化、さらに諸経費の増加を見込み、営業利益500億円、経常利益500億円を計画する。当期純利益については、2005年度に処理した特別損失がなくなることと、固定資産売却益などを見込むため、前年比144億円増益となる300億円と予想する。