2006年4月20日

富士重工業 愛知県半田市に航空機の新工場が完成、ボーイング787向け製造体制を整備

富士重工業は、かねてより愛知県半田市において工事を進めていた航空機用複合材部品を製造する「半田西工場複合材棟」、および米国ボーイング社の次世代旅客機787ドリームライナーの中央翼を組立てる「半田工場新組立棟」の2工場が完成、4月20日に竣工式を実施した。
両工場建設に関する投資額は約70億円。両工場の完成を機に、同社のボーイング787初号機に向けた製造が開始される。

半田西工場複合材棟は、富士重工業の連結子会社輸送機工業に隣接する自社所有地に2004年11月から建設を進めていたもので、建物面積は9,000㎡。軽量、高強度の複合材部品を製造するために、高温高圧で焼き固める世界最大級(有効径7m)のオートクレーブ(複合材硬化炉)、炭素繊維複合材シートを自動積層する曲面自動積層機、非破壊検査装置などを設置し、ボーイング787の胴体と主翼をつなぐ重要な部位である中央翼の構成部品の製造を行う。また、将来同工場で、防衛庁の次期固定翼哨戒機・輸送機(PX/CX)用部品などの製造を担うことも視野に入れている。

半田工場新組立棟は、航空宇宙カンパニー半田工場の敷地内、ボーイング777やPX/CXの中央翼の組立などを行っている既存組立工場の隣に2005年7月から建設を進めていたもので、建物面積は4,500㎡。ボーイング787中央翼の組立を行い、組立に使用される複合材部品は半田西工場から供給される。今後、3次元寸法測定器や組立治具などを設置し、本年初夏からの組立開始を予定している。

富士重工業は、複合材部品や中央翼を含む主翼の開発・製造を得意技術としており、これまでも防衛庁やボーイング社をはじめとする民間の、数々の航空機の開発製造に携わってきた。今後もボーイング787への取り組みなどを通じて、自社の技術をさらに磨き、世界の航空機産業に確固たる地位を築くよう努めていく。

半田西工場複合材棟

半田工場新組立棟