2004年8月31日
富士重工業(竹中 恭二社長)は、このほど、厚さ1mm前後のアルミ合金薄板構造の突合せに摩擦かくはん(攪拌)接合(以下FSW:Friction Stir Welding)の実用化技術を確立した。この技術は、まず、防衛庁向け無人標的機における円筒構造を成形する接合面に適用される。 FSWは、1991年に英国TWI(The Welding Institute)で発明された新しい金属接合技術であり、接合面に金属の回転工具を挿入し、回転で摩擦熱を発生させ、回転により材料をかくはんして接合する技術である。溶接に比べて、加工速度が早いなど効率が良い、ひずみや変形が少なく品質が高い、強度が優れているといった特長があり、鉄道車両や自動車などの部品への適用が広がっている。 現在FSWを適用して量産化されている部品の素材の多くはアルミニウム合金であるが、その接合の厚さは数mmから十数mmであり、FSWに必須である接合面の高精度な位置合わせが難しい1mm前後の薄板構造の突合せ接合では実用例がなかった。
富士重工業は、防衛庁に対し無人標的機の製造にこの技術を適用することを提案、承認を受け、現在秋からの生産に向け量産準備を進めている。 富士重工業は、2000年より適用化研究を開始し、実用化に向けて独自の研究開発を進めてきた。今回の量産品への技術適用は、こうした取り組みの成果である。
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