富士重工業(竹中 恭二社長)は、このたび、オゾンの脱臭・殺菌効果を利用した、塵芥収集車臭気除去装置を開発した。
今回開発した塵芥収集車臭気除去装置は、塵芥収集車のキャビン内乗車席後部に搭載したオゾン発生器と、車両後部の臭気の発生源である汚水タンク内に設置されたバブラー、発生器とバブラーをつなぐパイプから成る。発生器で生成したオゾンを、バブラーを通じてタンク内に溜まった汚水に直接溶解させることで、汚水を殺菌し臭気を取り除く。
オゾンは、非常に殺菌力が強く、臭気物質に作用しての脱臭効果も高い。また、残留毒素もなく、オゾン生成の原料が空気(酸素)のため、どのような場所でも扱いやすいというメリットもある。
塵芥収集車が、ゴミ収集中に悪臭を発生する主な要因は、収集したゴミを圧縮する際にでる汚水を溜めておくタンクからによるものである。夏場ほど臭気は強まり、ゴミ収集中に発生する臭気は、作業者の労働環境を悪化させるだけでなく、周辺地域環境にも迷惑をかけているのが現状である。今回の装置は、発生源に直接作用し、臭気を断つよう開発したものである。
開発にあたっては、実際に運用されている塵芥収集車に試作装置を取り付け、作動させ、その効果については作業者へのアンケートを回収した。今年6月に行った実験では、11日間のデータで、作業時の臭いは「かなり減った」が77%、「少し減った」を合わせれば100%効果が出たことが証明され、汚水そのものの臭いも91%が「かなり減った」との回答を得ることができた。こうした結果を踏まえ、導入を決定した自治体もあり、富士重工業は他の自治体、清掃業者に対しても広く展開することを決定した。装置の価格は、取り付け費用を除いて約25万円。塵芥収集車のメーカーを問わず取り付けが可能なため、富士重工業製の塵芥収集車はもちろん、広くアプローチを行い拡販を目指していく。
なお富士重工業では、この塵芥収集車臭気除去装置を、他の環境商品と合わせ、11月26日・27日に東京都大田区の東京流通センターで開催される「ビル経営フェア2002」に出品する。
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