富士重工業(田中 毅社長)は、米国の生産拠点であるスバル・いすゞオートモーティブインク(米国インディアナ州ラフィエット市 永野 正義社長、以下SIA)において、水平対向エンジンの現地組立と新型乗用ピックアップの生産を決定した。水平対向エンジンの組立は平成14年の第1四半期に、また新型乗用ピックアップの生産は平成14年の第3四半期にそれぞれ開始する予定。
今回、米国で組立を行うことを決定した水平対向4気筒エンジンは、SIAで生産されているスバル レガシィおよびアウトバックに搭載されるもので、従来の日本からのユニット輸出に代わるものである。SIAエンジン工場建設計画は数段階あり、第1段階のフル組立と一部加工で36百万ドルの投資を決定した。今後各ステップでの投資を慎重に決定して行くが、最終段階では167百万ドルの設備投資、最大255人の新規雇用を行う計画で、現在の工場敷地内にエンジン組立工場を新設する。この新工場はSIAスバル部門の一部として運用され、年間114,000基のエンジンを生産する計画である。
また、生産が決定した北米市場向け新型乗用ピックアップは、スバル アウトバックの持つ高い悪路走破性と乗用車の快適性にピックアップのユーティリティを組み合わせた新ジャンルの車である。この量産車のベースとなるコンセプトカー「ST-X」は今年1月のロサンゼルスモーターショーをはじめとする幾つかのモーターショーで展示され、好評を博している。この生産決定に伴い、富士重工業はSIAスバル部門の生産能力を一部拡張し、新型車の当初の生産計画では月2,000台を予定している。
富士重工業は、平成12年度から16年度までに渡る中期経営計画「新TQF21計画」を今年5月に発表しており、今回の2件の決定についても、この計画に織り込まれていたものである。
富士重工業は、昭和62年3月に米国での現地生産拠点として、いすゞ自動車(稲生 武社長)との合弁会社SIAを設立、平成元年9月から生産を開始、スバル部門では、これまでにスバル
レガシィおよびアウトバックを累計で801,621台(平成12年8月末現在)生産している。