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平成12年5月24日

富士重工業 コンパクトな水平対向6気筒エンジンを新開発
スバル レガシィ「ランカスター6」に搭載

 富士重工業(田中 毅社長)は、エンジンの全長を4気筒並みに抑えたコンパクトな6気筒エンジン「EZ30」を開発し、本日発売するスバル レガシィ「ランカスター6」に搭載する。水平対向6気筒エンジンの市販車への投入は、平成8年12月、「EG33」を搭載したスバル アルシオーネSVXの生産を終了して以来、およそ3年半ぶりなる。

 「EZ30」は、水平対向エンジンの優れた回転バランス、低重心、コンパクトという基本特性はもちろん、6気筒エンジンならではの滑らかな回転上昇やエンジン音、大排気量エンジンならではの豊かなトルク特性を持ち、排出ガス中の有害物質を平成12年排出ガス規制値の50%以下に抑えるなど、環境対応にも優れた新世代のパワーユニットである。
  また同社の水平対向4気筒エンジン「EJ型」に対してエンジンの全長の増加を約20mmに抑えるなどの小型化を図ることで、4気筒エンジン用車体の取りまわしの良さを損なうこと無く、3.0L 6気筒エンジンの搭載が可能となっている。

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3.0L 水平対向6気筒エンジン「EZ30」

 

3.0L 水平対向6気筒エンジン「EZ30」の特長
1. コンパクトな全長
  気筒内径の小径化や気筒間隔の短縮を図り、シリンダーブロックの全長を大幅に短縮。
  カムシャフトの駆動にチェーンを採用し、従来のベルトを用いたものに比べカムシャフト駆動部分のスペースを圧縮。
  補機類の駆動には1本のベルトによるサーペンタイン(曲がりくねりった)式を採用。駆動ベルトのスペースを従来の2本のベルトを用いたもに比べ約3分の2に圧縮。
     
2. 高出力と環境性能の両立
  可変吸気システムを採用し、すべての回転域で吸気効率を追求、最大トルクの向上と豊かで滑らかなトルク曲線を両立。
  吸気の流速を上げつつ縦方向の渦を起こすことで燃焼をを促進する吸気ポート(タンブルストレートポート)を採用し、燃料の微粒化を促進する噴射装置(エアアシストインジェクター)と相まって燃焼効率を向上。
  燃焼ガスをシリンダーヘッド内で集合させ温度を下げることなく触媒に導入することで、エンジン始動直後に多く排出されるHC(炭化水素)の浄化性能を向上。
  左右のエキゾーストマニホールドに各1個、集合部に1個、合計3個の触媒を採用し排出ガスの浄化能力を向上。
  ピストンの表面処理やコネクティングロッドの精度向上などにより、エンジンのフリクションロスを低減。
     
3. その他
  慣性力などに起因する振動の発生しない基本レイアウトと合わせて、クランクシャフトの支持剛性、エンジンと変速機との締結剛性をさらに向上することより、フラットなトルク特性と相まって滑らかで上質な加速感を実現。
  カムシャフト駆動システム全体をアルミダイキャスト製チェーンカバーで覆い、静粛性を向上。
  エンジンオイルや冷却水の通路、油面安定のための機能などを集約したアッパーオイルパンを新設、シリンダーブロックの剛性向上にも寄与。
     
EZ30主要諸元
 
形式・種類 水平対向6気筒
  EZ30
  3.0L DOHC 24バルブ 可変吸気システム
ボア×ストローク 89.2×80.0mm
ボアピッチ 98.4mm
総排気量 2999cc
圧縮比 10.7
最高出力 [ネット]  162kW(220ps)*/6000rpm
最大トルク [ネット]  289N・m(29.5kg-m)*/4400rpm
燃料供給方式 EGI(電子制御燃料噴射装置:マルチポイント・インジェクション)
燃料種類 無鉛プレミアムガソリン
 
*( )内のps、kg-mの数値は、それぞれkW、N・mからの換算値

 

 

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